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飛鳥の都〈シリーズ 日本古代史 3〉 (岩波新書)
 
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飛鳥の都〈シリーズ 日本古代史 3〉 (岩波新書) [新書]

吉川 真司
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商品の説明

内容紹介

舞台はいよいよ飛鳥へ。歴代王宮がこの地に営まれた7世紀、中国大陸・朝鮮半島の動乱に翻弄されつつも、倭国はいくつもの改革を断行し、中央集権国家「日本」へと変貌を遂げていった。推古天皇即位の背景から大化の改新、白村江の戦い、壬申の乱、そして大宝律令成立前夜まで、激動の時代の実像を最新の知見で描く。

内容(「BOOK」データベースより)

舞台はいよいよ飛鳥へ。歴代王宮がこの地に営まれた七世紀、中国大陸・朝鮮半島の動乱に翻弄されつつも、倭国はいくつもの改革を断行し、中央集権国家「日本」へと変貌を遂げていった。推古即位の背景から大化改新、白村江の戦い、壬申の乱、そして大宝律令成立前夜まで。考古学の成果も視野に、激動の時代の実像を最新の知見で描く。

登録情報

  • 新書: 240ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2011/4/21)
  • ISBN-10: 4004312736
  • ISBN-13: 978-4004312734
  • 発売日: 2011/4/21
  • 商品の寸法: 17 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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By ishilinguist トップ500レビュアー
 岩波新書らしくオーソドックスに定説をまとめつつも、いささか意欲を見せて踏み出そうとする試みも垣間見られる一冊。
 古代史と言ってもこの時期になれば相当に文献・考古学資料ともに蓄積があり、かなり詳細に歴史像を描き出すことは可能である。しかし、現在の「日本」というネーション概念がこの時期に形成され、また現在の政治的事情に関わりだすために、比較的ホットな論争になりがちである。(万葉集などは一般にアピールしがちであり、また非アカデミズムの立場からも著作が多い。)
 隋から唐に大きく移り変わる激動の東アジア古代世界の視野から、豪族連合から中央集権国家に生まれ変わろうと陣痛を繰り返す激動の日本古代史が描かれる。聖徳太子・大化改新・白村江の戦い・壬申の乱など、論争的でまたややこしい政治的問題もつきまといがちな事件ばかりであるが、おおむね虚心坦懐に、旧説にとらわれずにその実態を論じていると思われる。
 結局は戦後の行き過ぎた「日本書紀批判」は行き過ぎたものばかりである、との主張は大いに賛同できる。一応の現代歴史学・日本古代史の関心となるテーマや理論は押さえられているとは思うが、さらに意欲的な歴史学徒にはいささか物足りないかもしれない。
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 京大文学部の古代史担当教員であった、岸俊男、鎌田元一の両氏はまとまった一般書を残されなかった。おそらく、テーマを小さく絞り込み、緻密な考証を進めるのをよしとされ、考証が粗雑にならざるを得ない大テーマを扱う一般書の執筆を避けられたからであろう。研究者の間にはこうした姿勢をありがたがる風潮さえあるようだが、それでは学問が社会に各々の研究成果を還元するという点できわめて不十分であるといえる。
 したがって、両氏の後継者であり、古代官僚制の研究や王宮の構造分析などで優れた業績をあげられてきた著者が、この度新書を執筆されたことは大いに歓迎すべきことであり、その内容も注目されるところである。

 さて、内容について簡単にいえば、長短二面があると判断する。長所については、近年の考古学の成果を積極的に取り込んだり、東アジアという枠組みをさらに押し広げ、中国西方の政治動向まで視野に入れたりして、7世紀史を豊かに再構築されようとする意欲的な態度である。それは、大化改新の存在の裏づけや、斉明朝から天武朝初期までの倭国内の政治動向の分析などにおいて、おおむね成功しているといえるだろう。

 ところが、短所もある。それは、7世紀史の根本史料である『日本書紀』の記述をあまりに肯定的に扱ってしまっているということである。つまり、著者は「はじめに」で考古資料などの裏づけにより、その信頼性は回復しているとされ、この基本的立場で本書のすべてを記述される。たしかに大化改新などに対する評価は、それでよいだろう。

 しかし、それ以外の歴史事象に関しては、戦後、『日本書紀』の記述を批判的に見る立場から、それこそ汗牛充棟の業績が積み上げられてきたが、それらをもすべて著者の基本的立場で克服できるとは考えられない。なかでも、推古女帝=中継ぎ論を追認したり、「大兄」制の議論を無視して聖徳太子の立太子をそのまま認めるかのように記述したり、大化改新後の孝徳から中大兄(天智)への権力核の不自然な移動や天智の即位の遅れなどについて説明がなかったりするように、王権・王族のあり方について、従来の業績に言及しないまま自説を述べることに終始するのはいかがであろうか。大化改新や近江令の存否(天智朝の評価)については先行学説を取り上げ批判しているように、上記の諸事象についてもこれまでの諸説を的確に批判しなければ、著者の論述は説得力を持たないだろう。著者がその他の著作で、そうした論証を行っていればまだしも、このような新書でほとんど言いたい放題のまま自説を展開するのは、先学に対して失礼ではなかろうか。せめて参考文献にそれらの業績も挙げるべきだろう。また、近年研究が進展した女性史や家族・親族史への言及が全くないのはなぜだろうか。 

 ともかく、大津透『神話から歴史へ』(講談社)と本書の出版により、現在の古代史学界を代表する両氏の、「大化前代」に対する歴史認識が一定程度示されたわけだが、王権・王族のあり方については戦前の基本認識に近い点があるのではなかろうか。それゆえに、ある意味では危うさを感じるが、それは杞憂に過ぎないのだろうか。
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6 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 八雲立つ VINE™ メンバー
講談社の天皇の歴史シリーズで『聖武天皇と仏都平城京』という大著を著したばかりの著者が、今度は岩波新書から日本古代史シリーズの1冊『飛鳥の都』を出した。7世紀と8世紀、日本古代史を総なめにしている感がある。

さて肝腎の内容だが、新書という条件のもと、密度高く、簡潔かつ要を得た書きっぷりで、その点は見事というしかない。それでいて著者の嗜好が、とくに冒頭および最終部で遺憾なく発揮されている。このあたり、著者のぬくもりあるまなざしが感じられて好感度。

じゃあ、いうことなしかというと、やはりこの分野のことであるから、読者それぞれ、言いたいことが出てくるだろう。それはやむを得ないところだが、従来の見解をただしたり、著者の新説を打ち出したりするところでの説得力がイマイチ十分でないと感じる。ページ数から来る制約の中で著者のカラーを出したいとなると、おのずとそうなってしまうのだろうが。

おそらくこのシリーズ、岩波から出ているということもあって、教科書的な読み方がされるのではないだろうか。
(水準の高い本書がよく売れているということは、いまだに“岩波信仰”が生きている証か? 団塊の世代が多いかと思われるが、教員層も手を伸ばしているのではないか)

となると、見解の分かれている古代史の重要ポイントに関して結論優先的な書き方は問題なしとしない…。迷える羊――もちろんわたしもその1人――は、結論だけを脳裏に焼けつけがちだから…。
(あとがきで、著者は現時点における学界の通説ではないと断ってはいるのですが)

7世紀について十分な論証を備えた通史は新書では無理なのだろうか?
(著者と出版社には、本書の論証・実証版を是非とも期待したい)
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