1998年頃に著者の山上氏を筆頭として、飛鳥氏・望月氏によって結成された
古代史解析チーム『プロジェクトAYAMO』の成果物の一つです。
内容については断片的にかなり昔から公表されてきたのですが、
10年近く経ってようやく単行本化された事に感慨も一入です。
内容については山上氏が独自に発見した、日本最大の地上絵とも呼べる
『呪いの巨人像』の建造目的と正体を解き明かすのみならず
中臣氏〜藤原氏の歴史を主軸として、蘇我氏・物部氏〜石上氏の歴史と
藤原氏との知られざる権力抗争を、数多くの現地調査と多くの資料を元に
解り易く細密に描いています。
また、天武天皇の諡号や高松塚古墳の壁画、当時作られた天皇という称号や
二等辺三角形の配置にある三山の中心に配置された大極殿の位置などから、
道教思想により古代史を読み解こうという着眼点も面白いです。
国家財政を疲憊させた強引とも呼べる平城京遷都とあまりにも巨大すぎる奈良の大仏建立、
朝廷から毛嫌いされていた行基の突然の出世、
聖武天皇が729年に出した呪術禁止の詔やその後の5年間にも渡る天皇の彷徨など、
後世謎とされる様々な出来事についても、この作者は「呪いの巨人像」の延長線上にある
一本の出来事と位置づけており、作中の仮説によって明快な説明をなしています。
ひとつの娯楽作品として読んでも面白い作品ですので、興味を持たれた方は
是非ご一読をお勧めします。