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飛鳥―水の王朝 (中公新書)
 
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飛鳥―水の王朝 (中公新書) [新書]

千田 稔
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

かつて日本の中心であった飛鳥の地は、いまだ多くの謎に包まれており、発掘調査には多くの関心が寄せられる。しかし新しい発見にばかり目が奪われ、飛鳥自体の意味がなおざりにされてはいないだろうか。著者は飛鳥を古代史の舞台としてだけでなく、「日本」が誕生した地と位置づける。本書を手に、独特の石敷や湧水施設など様々な解釈が入り乱れる遺構をたどるとき、今までとは異なる飛鳥の姿があなたの前に現れるはずだ。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

千田 稔
1942年(昭和17年)、奈良県に生まれる。京都大学文学部史学科卒業。京都大学大学院文学研究科(地理学専攻)博士課程を経て、追手門学院大学講師、助教授、奈良女子大学教授。現在、文部科学省大学共同利用機関・国際日本文化研究センター教授。文学博士。歴史地理学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 247ページ
  • 出版社: 中央公論新社 (2001/09)
  • ISBN-10: 4121016076
  • ISBN-13: 978-4121016072
  • 発売日: 2001/09
  • 商品の寸法: 17.2 x 11 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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By 宣長さん トップ50レビュアー
形式:新書|Amazonが確認した購入
 飛鳥は山間にあるはずなのに、水がどうかかわるのだろうか。そんな素朴な疑問と興味から本書をひもとくことになろう。

 もちろん、古代の飛鳥であって、日本が誕生した場所、国家と文化の原像を知ることのできる場所である。日本の原像を知るにはゆっくり歩かねばならない、と自分の足で飛鳥を歩くことを勧めている。ここには数多くの遺跡が写真・図面入りで紹介されている。

 キトラ古墳壁画、高松塚古墳副葬されていた海獣葡萄鏡、字書木簡、豊浦宮推定地、伝飛鳥板蓋宮跡遺跡など、行って見たくなるものが次々出てくる。宮滝遺跡の近くを流れる吉野川、飛鳥河辺行宮の登場あたりから、本書の中心テーマになる水につながる記載が多くなる。

 飛鳥の土地が謎めいて語られるのは、あちこちに見慣れない形をした石造物(猿石・亀石・鬼の俎など)があるからである。

 更に、飛鳥で掘られた運河の跡が、飛鳥池遺跡の東側で見つかっている。また、斉明天皇ら古代の王族は、人口の川や池を使った庭園を好んだ。天智天皇は、飛鳥に巨大な水時計を造った。それにちなむ水落の地名が今も伝えられている。

 舒明天皇に始まる「水の王朝」、それは皇極女帝が再度皇位につき斉明朝となって、さまざまな水に関わる演出の仕掛けを作ることによって、飛鳥の水の風景はクライマックスに達する。その子たち天智、天武、持統までをその呼称にしたいと言っている。 八角形の墳墓の系譜として共通性があるとも言える。

 近年飛鳥のことを「石と水の都」というキャッチフレーズで呼ぶこともある。水はなくても、石に水を連想する心の豊かさ…水への祈り。水に強いアクセントをおく飛鳥の風景。本書、水の王朝論は仮説に過ぎなくとも、これを手がかりに自らの飛鳥を歩けば、その人の心に清水が流れ来るに違いない(雅)
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