2度の気温上昇で、自然環境の激変が予測されています。この温暖化を防ぐには、CO2の削減が効果的です。削減の為に、○エネルギー使用量が少ない生活流儀を確立。○化石燃料(石油や石炭)を減らし、再生可能エネルギー(風力、太陽光、バイオマス等)を使う。○危険な原発は増設せず、廃絶する。ドイツでは、1998年の社会民主党/緑の党連合政権時以来、政権が変わっても、この目標に着実に向かっています。
その現状を、北端の町を中心に詳細に現地調査された報告です。市民が共同出資で有限会社を作り、発電所を建設運営。財政的裏づけは、電力供給法1991や再生可能エネルギー法’04が、定めた電力買取補償制度です。この制度で、発生電力は電力会社に買い取られ、その収益で、発電所建設の経費は相殺され、さらに次の設備が導入できる。買取財源は、石油などに課せられた環境税の税収を当てているそうです。計画の履行は順調で、原発も、2020年頃に、ほぼ廃絶を予定。また2030年までに発電総量の45%を、再生可能エネルギーで賄う。再生可能エネルギー開発に伴う新産業、雇用の拡大もあるそうです。
これらが、我が国の状況と比較されています。経済産業省が、「新・国家エネルギー戦」'06で、「原子力発電立国」という方針を発表。原子力発電所を増設、’30年以降でも発電総量の30ー40%以上にし、軽水炉だけでなく、高速増殖炉、核融合エネルギー技術も開発。その技術を外国にも広める予定です。再生可能エネルギーだけでは、経済成長は維持できない。その為CO2を排出しない原子力をも、使う案です。しかし原発は暴走すれば、環境を破壊的に汚染します。著者は、ドイツに倣い、この方針の見直しを主張しています。確かにこの方針を貫くには、安全な原子炉、運用技術の開発。暴発時の対応、被爆者の治療措置を公表し、住民の不安を除くことが先ず必要だと思われます。