『死にゆく子どもを救え』も読んだが、そちらは医療従事者向けで、本書は著者の生い立ち、小児喘息で苦しんだ子どもの頃、「どうか医者にしてほしい、生涯恵まれない人のために働くから。」と天の神や仏と取引した2浪目の秋、亡くなった日本人が大地の一部となり、その大地が人を生み出しており、ビルマの人を助ける事は亡くなった日本軍人達を助ける事に繋がるとの感謝の気持ちをもち、現在のNGO設立に至った、慰霊団と訪れた初めてのビルマ訪問といった半生記的で、一般向けと言える。
現地での活動は、助けられそうな患者にだけ医療を施し、その“効果”を上げるのではなく、お金が無くなった患者の為に治療費や家族の食事代までも負担する「一期一会」な医療を行い、プロ意識・自分の使命・天の目を意識するといった悟りの境地を、断崖から見る美しい景色と描き、そこを一緒に見られるように後輩が到達する事を願い、その到達点を看護師も見据えられるように、働きづめで、他人に人生を委ねざるえない看護師に自己決定権を持たせ豊かにする、海を越える看護団を設立し、著者に続く人々は少ないながらも確実に増えている。
長期支援だからこそ、現地の医療技術・設備に出来るだけ合わせ、現地の医師のプライドを傷つけ、妨害され、徹底を強いられぬよう気を遣ったり、NGOとして己の身の丈を知り、予算を大きくは膨らまさず、どうすれば資金援助が集まるかに汲々としない、徐々に改善し長く続けられる組織運営へも努力は必要で、大変な活動だが、「経験した苦しみ悲しみと、喜び幸せの落差が人生の豊かさだ。」と著者は説く。
読者も様々な形で、それをどん欲に追えとのエールを、受け取るに違いない。