PCエンジンSUPER CD-ROM2専用アクションゲームです。
いわゆる横スクロール型の忍者アクションなのですが、先達の『
忍 SHINOBI』や『
忍者龍剣伝』といった名作と比較すると、どうにも地味な出来になってしまっているのが惜しいところ。
その原因の一つが、とにかくステージが平坦且つ単調なせいでしょう。
ステージによって右スクロールか、左スクロールかの違いこそあれ、どのステージも総じて高低差のない平坦な一本道です。
そのため、高台に飛び移ったり、壁にしがみついたりといった忍者らしい派手なアクションが無いのは残念でした。
横へ横へとただ敵を倒して行くだけでは、次第にダレてしまいます。
トリッキーなアクションこそ忍者ゲームの醍醐味なのですから、ステージごとに何らかのギミックが欲しかったです。
それともう一つ、ビジュアルや設定を活かし切れていないのもいただけません。
パッケージイラストを見てもお分かりのとおり、キャラクターデザインは現在でも十分通用するほど高レベルです。
加えてSUPER CD-ROM2の大容量を活かし、オープニングでは美麗なデモが流れるなど、固定人気が出そうな要素は多々あります。
しかし、いざゲームがスタートすると、その後はエンディングまで一切デモが無いので、ドラマチックなストーリー展開を期待していると、完全に肩透かしをくらいます。
しかも、説明書によれば主人公の風霧は敵忍軍の「抜忍」という設定で、ボス敵は彼の兄弟子や幼馴染なんですよね。
となれば、当然ボス戦の前には哀しくも熱い人間ドラマが展開されるのかと思いきや、何の前触れも無くいきなり戦闘開始。勝利してもやっぱり別れの言葉の一つもなし。
忍の世界とはかくも非情なものなのですね・・・というか、ここは当然ドラマ性を演出すべきだったはず。
なぜ、こんな重要な部分をカットしてしまったのでしょう? せっかくの緻密な設定が勿体ないです。
まぁ、人に忍ぶのが忍者とするなら、単調で地味であってもそれこそが本懐なのかも。
アニメチックなキャラクター性に媚びない、ストイックなまでの忍者アクション。それが、この『風霧』というゲームなのでしょう。