関ヶ原の戦いまで遡って明治維新を描いてきた歴史大河ギャグ漫画・その幕末編の16巻目。
この巻では、前巻の島津斉彬の急死を受けて、水戸藩に「戊午の密勅」が差し下され、それを受けて幕府が大弾圧を展開し、時代がいよいよ本格的に動乱の幕末期に突入します。
よく「歴史のIF」と言いますが、こうして歴史の細かい流れをわかりやすく見せてくれると、むしろ実際の歴史、この後に展開されることになる血みどろの歴史の方がIFだったんじゃという錯覚を覚えます。
斉彬が生きていれば、有力大名の合議制が実現し、列藩会議からゆるやかに議会民主制に移行していったのでしょう。
しかし、急激に時代が変わることが求められたからこそ、そのように歴史が動いたとも思えて不思議な感じにとらわれます。
大河ドラマの主役・竜馬と篤姫もきちんと出番が用意されてます。
本作の何がここまで支持されているのか、考えてみました。
1つは歴史を史実に忠実になぞりながらも、ギャグマンガにすることで、複雑な歴史を楽しく学べるようにしているところでしょう。「戊午の密勅」というのは要するに朝廷からの手紙ですが、それがなぜそんなに重要な意味を持つのか、その前提として、そこまで朝廷が存在感を高めたのはなぜなのか。水がしみこむようにきちんと理解させてくれます。
もう1つは幕末のキャラクターをキチンと消化して、立たせているところでしょう。竜馬と武市半平太の関係や、村田蔵六と福沢諭吉の関係など実にうまいなあと思わせるものがあります。おすすめです。