はっぴいえんどのオリジナル、3作中の第2作。大瀧7曲/細野4曲/鈴木1曲という構成だが、特に大瀧色が強いわけでもなく、三人三様の持ち味が次第に見えてきた作品。
まず、細野氏の2大傑作「風をあつめて」「夏なんです」。本作の空気感は、この2曲による所が大きいのかもしれない。音楽の引き出しが多い人だが、この和風な味わいは独特。録音技術の過渡期ながらギターの音質も良好で、不思議と耳に残る響きである。
鈴木茂氏は、本作で初めて作曲と歌を担当。「花いちもんめ」1曲だけだが、これが完成度の高い佳曲で存在感が十分出ている。代表作の1つと言ってもよく、構成がしっかりしていて聴き応えあり。その後の彼の個性が、既に垣間見えるようでもある。
さらに大瀧作品も好調。演奏もコーラスもまさにグループ総力戦の「はいからはくち」が圧巻。だが、それ以上に特筆したいのが「颱風」。「颱」の字自体がただならぬ雰囲気を醸し出しているが、内容もそれに劣らず異様なテンションを見せている。台風が来る前の、不安と共に何故かワクワクするあの感じが見事に表現された異色作。
最後になったが、全体の色合いを左右しているのが松本氏の詩の世界である。「オリンピック以前の東京の原風景」とよく言われるが、地方在住で彼らより後の世代の私が見ても、そういった匂いを感じるのが不思議である。