野川さくら、5枚目のオリジナルアルバム。
本作は、初めての真夏のリリースということで、ジャケを含めて非常に夏っぽい仕上がりになっていることと、影山ヒロノブがプロデュースから外れたことによる影響がはっきり出ている点が、最大の特徴といえる。
ややマイナスな部分は、個々の楽曲のクオリティはかなり高いのに、アルバム全体としてのバランスがよくないこと。楽曲を提供している作家陣が多いのでやむを得ない部分もあるが、派手なアレンジを施したラブソングの一方で、よりスケールの大きな未来の希望を描く楽曲が淡白なつくりであったりするのはどうだろうか。それに、栗林みな実作詞作曲のM-08「永遠の夏」などは、単独ではミディアムバラードとして詞も曲も秀逸なスタンダードナンバーであるにもかかわらず、アルバムを通して聴くと殆ど印象に残らない構成になってしまっているのは、あまりにももったいないと感じる。
とはいえ、しっかりプラス要素もある。HIPHOP調のトラックに甘めのボーカルをのせた、ゆうまお作詞作曲のM-03「CHANT!!」は、影山氏の楽曲には少ないタイプ。桃井はるこ作詞作曲のM-06「S・P・Y」は、ライブでの盛り上がりが目に浮かぶ見事なポップナンバー。そして、夏っぽい爽快感を前面に出したM-02「君と私と想いの先へ」など、オリジナル曲の幅を広げていることは事実。
CDデビューして6年、感謝の気持ちを詰め込んだという本作。新たな作家陣を招いた、第二のデビューアルバムとでもいうべき意欲作といえます。