音速ライン約1年ぶりのニュー・アルバム。
先日、NHKのラジオで藤井敬之が「自分は切ない曲しか書けない」みたいなことを
言っていて、妙に納得してしまった。
今までで、一番いいかもしれない。今回も非常に面白い。
音速ラインは歌謡曲の素直なメロディとゴリゴリのロックをミックスさせた相反する部分が
魅力的なバンドだと思うが、コンセプトのないアルバムが故、その要素が前面に出まくっている。
今までならジェットコースターのように次々とテンポの速い楽曲が飛び出す
スピード感に満ちたロック・アルバムというのが常套だったけど
今回は割りと、スピード感というよりは緩急が付けられているといった印象(もちろんスピード感のある曲もきっちりある)。
だから腰を据えてじっくり聴く音速ライン、というか。曲数も14曲もはいってるし。でもダレないけど。
「KAZAHANA」「疾風のように」などアルバムならではのハードなロックサウンドは健在。
「KAZAHANA」とか、シングルでは決して見せない混沌としたサウンドメイクに
なってるのが凄い良いし、しかもメロディは純和風のものなのでギャップ的に素晴らしい。
「ロレッタ」や「恋の魔法」とかパンクバンドかと思うようなビート感を見せたり
「恋人よ」ではグランジの香りさえ漂っていて、ロックミュージックとして
実にいいこねくり回し方をされてるな、と個人的にかなり面白かった。
で、歌詞は切なげな恋の歌なんだからひねくれてるよなあ・・・と思いつつ。
攻撃的どころかむしろその逆な歌詞なのがまた素敵なギャップを生んでいる。
やはり音速ラインはアルバムだと段違いにタフなロックバンドへと変貌する。
それはこのアルバムでも変わらないし、シングルだけのイメージで捉われるにはあまりにも惜しい。
「ポラリスの涙」は割といいチャート・アクションだったのでこのアルバムも売れてほしいのだが。