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34 人中、30人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
生きることはこれほど厳しく、そして愛おしい,
By mugibatake "mugibatake*" (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 風待ちのひと (単行本)
一気に最後まで読んでしまいました。若い頃にはどんな本でも最後まで読破出来たものでしたが、 子育てしながら仕事しながら読む本は本当に面白いもの、自分のためになるものでないとなかなか最後まで一つの本を読み切ることはできませんでした。 しかも、この本は子供が寝てから読み始めて一気に最後まで読み切ってしまいました! 冒頭の描写からラストまで、激しい展開はそれほどないのですが、 ぐいぐい話に引き込まれます。引き込まれるというより、物語のなかで自分という登場人物がいるかのように、とてもリアルに感じられるのです。 風のにおいがするかのよう、海辺の潮のにおいが感じられ、美味しい料理のにおいが感じられてお腹がすき、都会のかわいた空気に包まれるように感じられ、自分がトキめき、自分がかなしみ、傷つけ傷つけられ孤独になり、そして慰められるという短い時間にともに人生をいきられるお話でした。(いい本というのはそういうものですよね。) そして、クラシックが久々に聞きたくなりました。。。 作者や登場人物が同世代ということもあり、本にでてくる一つ一つのこまかい背景、音楽、服、食べ物、はやりものなどすべてにこころくすぐられました! 若い女性向きかなと思いましたが、父や母にも、かなりうえの世代の方にも絶賛でした! 詳しいお話をしてしまってはもったいないのでオビのところだけ、、。 「やさしい手を、さがしていた〜心の風邪で休職中の男と家族を亡くした傷を抱える女。海辺の町で、ふたりは出会った−。心にさわやかな風が吹きぬける、愛と再生の物語。」 ぜひぜひオススメの一冊です。 生きるということはこれほどまでに厳しく苦しく、そして素敵で愛おしい。 死や絶対の愛をのりこえられなくても、優しさでいきていきたい。 そんな思いに溢れさせてくれる、すがすがしい作品でした。
9 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
みずみずしい生きる歓びをうたう大人の恋愛小説,
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レビュー対象商品: 風待ちのひと (単行本)
さわやかな恋愛小説でした。大人の恋愛小説でした。 主人公は壊れかけた家庭をひきずる男。そしてヒロインは学もなく、家族もなく、自信もなく「ごめんなさい」が口癖の女。 その二人が出会い、少しずつ心を通わせながら、物語は進んでいきます。 大きなエピソードというより、生活のすみずみの中に描かれる細部がとても魅力的に描かれています。 料理だったり、ガーデニングだったり、音楽だったりと。 特にクラシック音楽の楽しみ方はとても参考になりました。 物語は二人のそれぞれの過去と現在、生活という現実に縛られながら、動き出します。 そこには、まさに現実の過去が立ちはだかります。 しかし、クライマックスへ。 受動的に良い風を待つだけでなく、能動的に「生きる歓び」に向かって一歩を踏み出していきます。 そんな意味では、もともとのタイトルの「夏の終わりのトラヴィアータ」の方がふさわしいような気もします。 同年代の作家の描く同世代の恋愛小説。 でも嫌みなく、すわやかに読み、楽しむことができました。
8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
風待ちの風景に入り込む,
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レビュー対象商品: 風待ちのひと (単行本)
ちょっと疲れたエリート哲司と優しい手を持った喜美子の物語。冒頭部分を読み始めたときは、喜美子が突飛な感じで疲れそうで「苦手な部類かも」 と思ったのですが、文体が段々ゆったりして行きお仕着せではなく、泣かせようと している訳でもなく、ただただ少しゆっくりと何かを色々な意味で 整理していく哲司とそれを手伝う喜美子の様子が、本当に素敵でその素朴さがかなりお洒落でした。 喜美子、哲司、そしてその二人を取り巻く人々が魅力的かつリアリティ溢れていて 生き生きしています。 喜美子の素直さが物語を引っ張っていきますが、人間として女としての 生々しさもさらっと描かれており、それがこの物語を余計リアルにそして 正直にしていると思います。 そして女性である私から見る哲司さんはとっても魅力的な男性。哲司さんの描写から 哲司さんの香りや着ている服の肌触りまで伝わってくる作者の力量は素晴らしいと 思います。 また人物だけでなく、二人の物語が展開する家や町並みが目の前に広がっていきます。 心にほんのりくるけれど、主人公たちは最後力強く生きて行きます。 このラストが私は大好きです。 この小説がいいと思えるということは、少しは自分も精神的に大人になって いるのかな、と思える作品。 『風待ちの人』という作題、Keyとなるクラッシック、全てが淡々としていて素敵です。
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