25歳で東京都交響楽団の首席チェリストに就任した古川展生の「古」、藤原道山と一緒に音楽を創ってきたピアニストで作曲家の妹尾武の「武」、和の楽器・尺八で幅広い音楽の可能性を追求してきた藤原道山の「道」、の3つを取って名付けたスーパー・セッション・グループのKOBUDO-古武道-のセカンド・アルバムです。
冒頭の妹尾武作編曲の「風の都」の和のテイストに包まれたどこか懐かしくかつ清々しいサウンドがリスナーの心を溶かすようです。ストリングスのバックの透明な流水のような趣を感じる音楽ですので、万人に愛されると思いました。まさしく尺八の音は風を想像させますし、チェロはまるで琵琶や琴を彷彿とするような役割を果たしていました。
懐かしい日本の原風景を思い出させるような曲ですし、広がりと安らぎが音楽に一杯詰まっており、このグループの特徴がよく表れている佳曲でしょう。
和風の前奏から一転して激しい音楽へと変貌するピアソラの「Libertango」はお見事の一言です。尺八はジャズ・フルートのようですし、チェロはパーカッションの役割も果たしていました。ピアノのリズムの切れはこの曲の躍動感とスピード感の源でしょう。彼らのコンサートでもこの曲が、一番リクエストが多いようで、それを実感できる素晴らしい演奏でした。
ジャジーな香りをふりまく「My Favorite Things」はまさしく世界に通用する音楽でしょう。各人とも多様な音楽ジャンルに挑戦してきたわけで、その豊かな音楽経験が一番大切である豊かな歌心として伝わってきます。有名なミュージカルナンバーですが、洋の東西を問わず、奏でられる音楽の素晴らしさを堪能できました。3分弱という短さを感じさせない凝縮された音楽が詰まっています。
ラベルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」の見事なチェロの演奏に惹きこまれました。アレンジの冴えもあり、原曲のもつ雰囲気を全く壊さず、たった3人で再構築しているのはお見事でした。
なお、リーフレットには曲の解説が見開き2ページ、3人の紹介が顔写真と共にそれぞれ1ページ使用してありました。