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風の良寛 (文春文庫)
 
 

風の良寛 (文春文庫) [文庫]

中野 孝次
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

良寛に学ぶ「無」を生きる愉しみ
良寛の詩・歌を愛する著者が、物にこだわらず生きることを楽しむ大切さを良寛に学び、これからの日本人の生き方を明示した名著!

内容(「MARC」データベースより)

人は良寛に触れることによって、知らず知らずのうちに自分の生き方を顧みさせられる。そのような良寛の生き方や思想などについて語る。良寛の「人生が楽になる」生き方を提案。 --このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 245ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2004/01)
  • ISBN-10: 4167523124
  • ISBN-13: 978-4167523121
  • 発売日: 2004/01
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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形式:文庫
瀬戸内寂聴さんの「孤独を生ききる」という文庫本を読んでいたら、
最後の方で良寛に関する記述があり、何となく興味を持ってしまいました。
ちなみに「孤独を生ききる」の方は、女性向けの本だったようで、
男の自分にはよく分かりませんでした。

家を棄てて、家族を棄てて、何もかもを棄てて、無為に生きる乞食僧、
というのが良寛の実像のようですが、確かに本書を読む限り、そんな
感じですね。現代風に言えば完全にホームレス状態です。
草庵という簡素な住まいはあったようですが・・・

この本では良寛の残した詩や歌がたくさん紹介されています。
原文や読み下し文ではなかなか意味が分からないのですが、
著者が分かりやすい意訳を付けてくれているので、なんとか意味は取れます。

なかでも私がとても印象的だった言葉が「清貧」というものです。
辞書によれば、私欲を捨てて行いが正しいために、貧しく生活が質素であること。
少々カッコつけて言えば「清く貧しく美しく・・・」ということでしょうか。

良寛は道元の正法眼蔵や老子や荘子を座右の銘とし、生涯を通じてそれを
ひたすら実践した人です。

本書によれば、正法眼蔵には以下のような記述があるそうです。
学道の人は、まずすべからくらく貧なるべし。財多ければ、必ずその志を失う。
貧なるが道に親しきなり。

また、荘子には以下のような記述があるそうです。
吾、以(おも)えらく、無為こそまことの楽なりと。又、俗の大いに苦しむところなり。
故に曰く、「至楽は無楽。至誉は無誉」と。

現代社会において、良寛の生き方を実践することは、ほとんど不可能だと
思いますが、彼から多くのことを学ぶことができます。

自分なりの解釈では、以下のような人生を送ることだと思います。

・名利を求めず清貧に生きること。

「人格者」とはこのような人のことを言うのではないでしょうか。
決して、社長・実業家・政治家・学識者のような人を指すわけではないのです。
このような人はむしろ人格者の対極にいる人です。道元ならそう言うでしょう。

ただし、ここに1つの問題が生じます。
このような生き方をしていると、女性にはまったくモテないでしょう。

女性は貧乏な男が大嫌い、女性は地位や名声のある男が大好き、
女性はお金持ち(利益を生む男)が大好き、、、まったく逆ですよね。

男は本能的に女を求めますが、その女は名利を求め清貧を嫌悪する。

これはいったい何を意味しているのでしょうか?
答えは明白ですが、それを言うと世の女性に袋叩きにあいそうなので言いません。

さて、本書を読み終わった後で世間を見渡してみると、今の世の中はどこまで
汚れてしまったのかと、心の底から悲しくなります。
私利私欲を満たし、人を騙し、人を傷つけ、欲望のままに貪り合う。

私はもともと貧乏ですし女性にも相手にされていないので、
「名利を求めず清貧に生きること」を座右の銘にしたいと思います。

良寛が万葉集の歌に触れて大きな喜びを感じたように、
私は音楽の旋律に触れて喜びを感じるような人生を送りたいです。

なお、ヘタな人生論より良寛の生きかた(河出文庫)という文庫本もお勧めです。
こちらは、原文や読み下し文はなく、現代語訳(意訳)だけを紹介した
とても分かりやすくて読みやすい本です。特に若い人にはお勧めですよ。

名利に使われて、閑(しず)かなる暇(いとま)なく、一生を苦しむるこそ、愚かなれ。
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 仮面ライター VINE™ メンバー
形式:文庫|Amazonが確認した購入
  
 良寛様…というと、私たちの年代では、何故か懐かしく、心温まる響きを持つ名である。当書の著者である故・中野孝次さんの不朽の名著『清貧の思想』(1992年)においても、良寛様を取り上げているが、本著は『良寛の呼ぶ聲』(1995年)に次ぐもので、この後の『良寛 心のうた』(2002年)とともに、私は“良寛三部作”としている。この『風の良寛』は、中野さんも語るように「前著(良寛の呼ぶ聲)が楷書で書いた良寛とすれば、これは草書で書いた良寛とでも言うべきか。ともあれわたしの思いを前より前面に出して書くことになった」(本書「あとがき」)作品であり、“良寛思想”のより具体的な発展的展開型といえよう。

 さて、良寛様は欽慕した「道元禅師の嫡流を以て任じ」ていたが、何よりも「良寛の人となりを一言でいえば、内省の人ということだろう」(本文)。そして、「我生何処来 去而何処之…」といった詩も残しているけど、「大体江戸期の詩人で、自分の生がどこから来てどこへ行く、というような哲学的問いかけを詩に作った人は、良寛のほかにはたして一人でもいただろうか」と驚嘆するほどに、「根源的な問いをつねに自問自答していたのが、良寛という人なのである」(同)。良寛様は「自己の外にある物のために生きることを完全に放棄して、己が心の平安、真実の自己のためにだけ生きる」(同)厳しくも清冽な生を選んだのだった。

 良寛様の“生き方”は、現代を生きる私たちの謂わば“鏡”ともなり得るものであるが、そういった厳しい道を歩んだ良寛様の晩年について、正直、私は「良寛様、良かったよね」と、つい言い添えてしまう。それは孫ほども違う、美貌といわれた貞心尼との交遊だ。この事実に関しては眉を顰める向きもあるようだけど、良寛様の弟の由之をして「病者御あつかひ御辛労可申もなく忝存候」という礼状を認めさせている。最晩年、直腸ガンを患い、慢性的な下痢に悩まされた良寛様の、恐らく下の世話まで甲斐甲斐しく行ったであろう貞心尼…。この二人の歌などをみれば、その交流が非常に超俗的なものであったことを物語っている。
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By イッパツマン トップ500レビュアー
形式:単行本
 かつてバブル崩壊後に「清貧の思想」をベストセラーにした著者による、良寛の入門書。

 第一線の知識人でありながら自己主張を行うことなく控え目に生きた良寛だが、当然、彼の人生や思想は謎が多く、この本も著者による解釈や想像が中心である。もしかしたら著者の思い入れが良寛像を清く美しくしすぎている嫌いはあるのかもしれない。ステレオタイプな良寛像を超える新しい見方を得ることはできない本だが、道元やタオイズム、万葉集など良寛が熱中した書物から彼の思想を裏付けようという著者の良寛解釈はそれなりに説得力がある。入門編としては読みやすい一冊だと思う。
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