息子を亡くして以来、ちょっぴりおかしくなってしまった湘石と、
彼と別れても、まだ彼を独占し続ける元妻と、
二人それぞれの思惑で、いろんな嘘と本当を主人公に吹き込むから、
振り回されるのは、主人公だけじゃありません。
湘石も、元妻も、エキセントリックで、読んでいて、
こちらも、う~んと頭を抱えたくなりました。
湘石を慰める主人公ですが、それにより、暗いものに飲み込まれてしまう。
湘石とは離れたところで、もやもやとしたものに覆われる彼がつらい。
で、結局湘石とは再会するわけですが、逆に、湘石の方は、
すっきりと憑き物が落ちたように安定しちゃってて、
恨めしくもあり、拍子抜けでもあり。
風の祭。タイトルからくるとおり、独特の迫力があり、
読んでいて、私も湘石の暗いものに飲み込まれてしまいそうな
気がしました。すごい文章力です。
読み応え、かなりあります。