唐の皇帝の姪っ子ながら、出生に少々もんだいがあるため、商家の娘として育てられた主人公が、チベットの吐蕃という国に政略結婚で嫁ぐことになります。この第一巻は、主人公が親しい友人をつれて唐を発ち、吐蕃王と結婚するまでをかいています。
馬に乗り、剣や弓を扱う主人公は、誰もがあこがれるかっこいい女性です。吐蕃へ向かう道中、不慮の事故で彼女は旅の一行とはぐれてしまいます。それを助けたのは一人の男性でした・・・次第に心を惹かれあう二人ですが、彼女は皇帝の娘と偽って王と結婚する身。その気持ちは許されません。一行へ合流するまでの道すがら、惹かれあっているのに触れられない、お互いの葛藤と、その後大きな真実が浮き彫りになったときの、ハラハラさせる展開は、あきる事がありません。大して大きな感動やテーマがあるわけではないのですが、なんとなく、こころがほんわかするような温かい恋愛が描かれており、自分もこんな恋がしたいなあ、と思わせてくれます。
本の中の主人公や夫である吐蕃王は、実際に実在した人物です。作者さんが、大学時代チベット史をお勉強されたらしくて、かるい勉強をしながらの読書ができます。世界史の本で、実際に名前を見つけたときは嬉しかったです。