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風の牧場 (講談社文庫)
 
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風の牧場 (講談社文庫) [文庫]

有吉 玉青
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商品の説明

出版社 / 著者からの内容紹介

美名子は母と、父の話をしない。あるとき、そう決めたから。
ひとりの女性の心を、その孤独と成長を精緻に描く「絆の物語」。

もの心ついたときに、父はいなかった。それは寂しいことではなかった――。
美名子と母のあいだにある、ふれられない空白。そこには、いつも「不在の父」がいた。現代を生きるひとりの女性の姿を、思春期から40代までの心の軌跡をとおし語る6篇の物語。とまどいながら、その先に見つかる心の本当のかたちを、美しい文章と丁寧な心理描写で描き出した「絆の物語」。

著者の新境地を開く、感動の連作短篇小説集。 --このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

両親がものごころつく前に離婚して母の手で育てられた美名子は、父の不在を寂しいと思ったことはなかった。母の表情からすべてを鋭敏に感じ取った幼い日、その話題を自らタブーとしたが、大人になり父がすでに亡くなっていることを偶然知ってから、その存在が大きくなって…。人と人の絆を描いた連作集。

登録情報

  • 文庫: 256ページ
  • 出版社: 講談社 (2011/3/15)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062769042
  • ISBN-13: 978-4062769044
  • 発売日: 2011/3/15
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 566,198位 (本のベストセラーを見る)
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形式:単行本
初出を見ると、1996年から2006年まで「小説現代」に書き継いだものに
書き下ろしの1篇を加えて編んだ六つの連作短篇集。
美名子という主人公が、中学生の頃から40歳を過ぎるまでのほぼ30年間の
心の軌跡をたどっている。
もの心がつく前に両親が離婚し、父を知らずに育った美名子が、
その時々に、母との間にあるふれてはいけない「不在の父」にとまどいつつ
成長してゆくさまが、丁寧に描かれる。
会ったこともない父を恋いはしないが、いつも意識の片隅にぼんやりと
居座っている「不在の父」について、ある時、「不在」の「存在」であると
気づくくだりは、なにかしら親子の絆の業みたいなものを感じさせる。

思春期の母への反発。結婚して婚家の色に染まりきれない自分を客観視する
目線。仕事を再開した後の夫とのいくつもの諍い。
天の計らいのように出会った従姉妹。
そして、母に心から寄り添えるようになった現在までを、丁寧にしかし自在に
描く。母と自分とのあいだにあったものは「空白」ではなく、しっかりとした「絆」
であったと思う場面はなんだか読み手までほっとさせられた。

玉青さんらしい澄んだことばと会話や場の空気が好ましい作品だった。
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