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27 人中、25人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
新鮮で感覚的な小説,
By
レビュー対象商品: 風の歌を聴け (単行本)
初めて読んで感じたことは、著者は英語を母国語としている人かアメリカ小説を読み込んだ人だろうな、ということだった。 数ある村上春樹の小説の中でもこの第一作目は特に ”日本的”でなく、しゃれた会話が交わされる 今まで読んだことのないタイプの小説だった。 作品中の主人公は「文章について多くをデレクハートフィールドに 学んだ」という。この本を初めて読んだ人の中でまずこの作家の存在を 疑う人はいないだろう。今では周知のこととなっているが ハートフイールドは村上氏が作り上げた架空の作家なのであるが、 当時は実在する作家だと信じハートフィールドの作品を書店に 問い合わせる人が絶えなかったほど 巧妙に架空の作家を作品中に織り込んでいたのだった。 ではこのモデルは誰?ブラッドベリ?ロバートEハワード? という風にハートフイールドについてその後もちょっとした論争が あったほどである。 こんな風に読み手を楽しませるのと同時に 数字、古典、和歌またキリスト教的記号を埋め込むのが 上手な作家である。作品をストレートに読んだ後は埋め込まれた 記号や数字を探し出すという楽しみも味わえるので、 村上春樹の小説は二度も三度も楽しめてお得感が高い。 まだ村上ワールドに足を踏み入れたことのない方には、すべての 始まりである「風の歌を聴け」をおすすめします。 文庫本のカバーをとって中を見たことのある人はいるでしょうか?
16 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
青春っていうのは何歳までだ?,
By カスタマー
レビュー対象商品: 風の歌を聴け (単行本)
爽やかな文体に断片化された文章。これがこの小説の一番の魅力だと思っています。 過ぎ去ったもの、失ったもの、捨ててしまったもの。 そんな誰もが通り過ぎて来た(と思われる)数日間を描いた、青春小説です。
58 人中、47人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
軽さの奥に見える若き作家の卵の意地,
By 山田晃嗣 (神奈川県横浜市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 風の歌を聴け (講談社文庫) (文庫)
まだ20代半ばの頃、何気に読んだ「ノルウェイの森」の魅力にハマり、次に読んでみたのがデビュー作のこの本。 最初は、「ノルウェイの森」の暗く重々しい感じとは全く違う この本の妙な軽さに面食らったことを覚えている。 それでも、相変わらず脈略の無いストーリーの中に 唐突に出現するあまりに印象的なフレーズは実に強烈だった。 多くのレビュアーが引用している冒頭の「完璧な文章など・・」 と言う文も「やられた!」と言う感じだったが、 私の心に残ったのは、同じく1ページ目に登場する次の文。 「あらゆるものから何かを学び取ろうとする姿勢を持ち続ける限り、 年老いることはそれほどの苦痛ではない。」 この一文、ストーリーには全く関係ないのだが、 読後に私はこのフレーズを呪文のように唱えていたものだ。 40歳になって再びこの本を読み返してみて良く判った。 この本、「軽くてお洒落」に見えるのは、ほんの見かけだけでしかない。 実は「若き作家の卵」村上春樹の意地が凝縮されているのだ。 生まれ持っての文才も去ることながら、 様々な海外文学からの引用や、綿密にリズムが計算された文体など、 とにかく練りに練って考え抜かれた文章なのだと思う。 全体に軽く感じてしまうのは、 そのような「意図して作られた文体」をあえて隠すためだろう。 デビュー作なだけに、渾身の力を込めていたはずだ。 初めて呼んだ頃からずっと、こんな文章が書きたいと思ってきた。 もちろん全く追いつくことなど出来ないのだが、 そのために意識して努力してきたことは無駄になっていないと思う。
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