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風の果て〈上〉 (文春文庫)
 
 

風の果て〈上〉 (文春文庫) [文庫]

藤沢 周平
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

首席家老又左衛門の許に、かつての同じ軽輩の部屋住み仲間から果し状が届いた。武家の掟を軸に、運命の饗宴を描き切る傑作長篇!

内容(「BOOK」データベースより)

首席家老・桑山又左衛門の許に、ある日、果し状が届く。恥知る気あらば決闘に応じよ、と。相手は野瀬市之丞。かつては同じ部屋住み・軽輩の子、同門・片貝道場の友であるが、市之丞は今なお娶らず禄喰まぬ“厄介叔父”と呼ばれる五十男。…歳月とは何か、運とは非運とは?運命の非情な饗宴を隅なく描く、武家小説の傑作!

登録情報

  • 文庫: 318ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (1988/01)
  • ISBN-10: 4167192209
  • ISBN-13: 978-4167192204
  • 発売日: 1988/01
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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37 人中、35人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 読みだしたら止まらない!いっきに上・下巻!!, 2007/8/16
レビュー対象商品: 風の果て〈上〉 (文春文庫) (文庫)
本年秋10/18〜12/6毎週木曜
TV放映予定とのこと
NHK時代劇(全8回)
佐藤浩市・石田えり・仲村トオル

ここしばらく短編集ばかりだったので、
腰を落ち着けてじっくり読める、と思いきや
一旦読みはじめたら止まらなくなった。
寝る間を惜しんで、一気に読んだ。

ものすごい壮大な小説。
多分、藤沢周平が書く初めての本ではないか?
1人間の 幼少から老齢に至るまでの半生を描いたのは。
それも1人ではなく、
道場同期入門、身分のまったく異なる5人 それぞれの人生だ。

幼少の頃は身分が違っても同じように分け隔てなく遊ぶ。
但し、物心のつく若者になると先々が自ずと見えてくる。
武士の社会は家柄、毛並みで、生まれた時から先が見えている。
1千石の上士跡取りを除いた、残り4人は、親の身分もさほど高くない(160石、130石、82石、35石)しかも次男、三男の部屋住み。ゆくゆくは同じような身分の家の養子に入れれば御の字のしがない身分。

家中の世界は、「上士と下士は同席せず」。
これがこの本のテーマのひとつ。

さて、1千石の上士跡取り「鹿之助」はあっという間に登りつめ、雲の上の筆頭“家老”。
残りの4人はさて、如何に?
・養子になり姓も変わり、またその名も受け継ぎ姓・名が変わるもの、
・あるいは、とんでもない後家の家に入り、その身を追われるもの
・ 貧乏下士で汗水流すもそれなりに穏やかなもの
・ 剣の道で裏街道をいくもの
そして、主人公は・・・

下士の養子からいっきに上り詰め、昔の仲間「1千石の上士跡取り」と真っ向勝負。
そこには昔の友の情けは無い、
あるのは天下取り、藩政を動かす「地位」だ。

主人公が、上士と真っ向勝負で上へ上へと上り詰めていく様は実に面白い。
その時々の役職を追っていくのも勉強になる。
「なんだ?“代官”ってこのくらいの地位なの?」
「あれ?30石ってこんななの?これじゃ“武士の一分”の木村拓哉の家はありえないジャン?」
「藩政は正に内閣で、熾烈な派閥争いだな」
などなど
大変面白く、わくわく、ドキドキしながら読みました。

但し、「下巻」最後の10ページは、
泣き場所を確保して、バックグランドに壮大なクラシック音楽をかけながら読むことをお勧めします。

ちなみに私、最後の10ページは、帰宅途中の地下鉄の中。
バックグランド・ミュージックは「善き人のソナタ」のサントラ
これが妙にバッチリ合って、思わずほろほろ来ました。

■ お薦め度:★★★★★(超・お薦め)
*上・下本で躊躇する方もいると思われますが、シドニー・シェルダン同様、読み始めたら止まりません。覚悟のほどを!
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19 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 カバー絵, 2001/6/24
レビュー対象商品: 風の果て〈上〉 (文春文庫) (文庫)
この文庫の上巻のカバー絵は、荒れた野原で二人の武士が顔をつき合わせている図である。一人は上等な服を着たふくよかな武士で、何かを耐えているかのように相手の話を聞いている。この作品の主人公、隼太こと主席家老桑山又左衛門であろう。もう一人はやせぎすの男で、前屈みになって、何かを言いつのっているように思える。恥を知る気持ちが残っているなら果たしあいに応じろ、と書いてきたかっての同輩、野瀬であろう。しかし、桑山に果たしあいに応じる気は無い。なぜ二人がこういう関係になったのか、現在と過去を交互に映しながら、貧しい小藩の「経営」を丁寧に描写しながら、この武家小説の長編は進んでいく。桑山のモデルは「漆の実のみのる国」の改革途中で挫折したあの家老かもしれない。出世す!るも地獄、出世しないも地獄。それは中企業の現在の姿と重なり合う。なぜ桑山は主席家老まで上りつめることが出来たのか、二人は果たして果たし合いをしてしまうのか、その結論は下巻に譲ることになっているみたいだ。
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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 ここに描かれているのは現代の我々だ, 2008/1/11
レビュー対象商品: 風の果て〈上〉 (文春文庫) (文庫)
組織の中でたくましく生き抜き、より高い生活を目指すと非情にならざるを得ず、それを追っていくとどこからか自分を呼び戻そうとする声が聞こえる。「お前はもっと純粋で、人への思いやりがあったではないか」と。その声の主は少年時代の自分であり、貧しくとも素朴で温かい心を持ち続けている友であったりもする。栄華を極めてもなお足るを知らない人間の寂しさ、むなしさは現代の我々に通じるものです。あえて甘さを加えないようにしたことできりっとした見事な作品に仕上がっています。過去と現在を行き来しながら、人の移り変わりを描く構成力、洞察力はすばらしいと思います。NHKの佐藤浩市主演のドラマも上出来でした。蝉しぐれもいい作品ですが、60歳代になった私はどちらかといえば風の果ての方が好きです。
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