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5つ星のうち 5.0
決定版,
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レビュー対象商品: 風の帰る場所―ナウシカから千尋までの軌跡 (単行本)
宮崎駿作品の分析本は数多いが、この本のように本人の言葉自らが作品について語っているものはそんなにない。しかもこの本ではインタビュアーの渋谷氏が綺麗ごとに流さない真っ向勝負な質問をすることもあって、やりとりの内容が非常に濃いものになっている。しかも面白い。インタビューする側とされる側との幸福な共犯関係が成立しているように思う。監督の作品からなにかを感じて、作品や監督についてもっと知りたいと本を捜している人には、まずこれを勧めたい。作品については「紅の豚」が「個人的な作品」だということの意味、「もののけ姫」の中でアシタカが呪われることの意味や最後のエンディングに込められた想い、「千と千尋」の電車のシーン、「ナウシカ」の映画版とコミック版の関係、「トトロ」の原風景などについてのやりとりが興味深かった。 しかし監督の話はいつも多岐にわたる。その一部をあげればディズニー批判や手塚治虫論、ソ連の崩壊とユーゴ、震災、日本中世への歴史観、職業論、生きるということ、理想主義とニヒリズムの共存、宮沢賢治論など、本当にキーワードが多い本である。これは多分、アニメだけに興味を持ってても優れたアニメはつくれないよ、ということなのかもしれない。これは芸術、芸能一般や職業一般にも応用できそうだったりする。 最後のインタビューの中で、2004年の夏公開予定の次回作について「テロとか炭疽菌がなんだとかそんなくだらないことじゃなくて、自分の心理状態の不安だとか自我の行き詰まりとかいうへなちょこなものじゃなくて、もっと強靭なものをシンプルに描かなきゃならない。これが私たちの答えですというものを作らなきゃならない」といっている。期待して待ちたい。
14 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
宮崎駿はこんな人なんだぁ,
By 紺碧の飛行人 (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 風の帰る場所―ナウシカから千尋までの軌跡 (単行本)
私は宮崎監督の作品が大好きで作品は何度も繰り返し見ていますが、本人の生の声は以外にも全く聞いたことがないと気づいたのはつい最近のことです。映像だけを見て、宮崎駿を理解していた気になっていた私はなんとも浅はかだったことでしょう。本書ではそんな宮崎監督の本音が色んなところで聞くことができて良かった。宮崎駿という人間が、あんなにも素晴らしい作品を作っているからといって特別な人間なのではなく、特別な人間ではないところを隠さないでいることが逆に多くの人を引きつけているのだということがよく分かる対談集でした。 渋沢陽一という人がどんな人だか、私は詳しくは知りませんが、とりあえず映画だけを見て満足していたような私などよりは、はるかに「宮崎駿」について知る努力をしています。でなかったら、このようなインタビューは成立しないでしょう。(宮崎監督の本書からうかがえる性格から考えても) 本書を読んで、宮崎駿という一人の人物に少しだけ近づけたような気がします。
14 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
『こうあったらいいなあ』っていう方向で映画をつくっています。,
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レビュー対象商品: 風の帰る場所―ナウシカから千尋までの軌跡 (単行本)
インタビューに答えて映画をつくるとき考えていることや、物語の出来るヒントになった出来事などが語られています。読んでいて共感する言葉が沢山出てきて面白かったです。 「歯止めをなくす瞬間は一種の快感があるんだけど、形を壊した瞬間にね、次の形を作る能力を持たないことが発覚しますから。 だから際限なくくだらなくなってくっていうか映画そこには残るだけだと思うんですよね。」 「愛とか正義とか友情とか、…本気でしゃべってくれないかなあって、みんな待ってるんだと思いますね。」 「実際に多くの人は他人に対して親切ですよ。親切にすることは気持ちがいいことですからね−」 など 「となりのトトロ」 が 「自然が貧乏であることの証明にしかならなかった自分の少年時代に対する手紙」 という言葉もあって、しみじみ読みました。 「子どもに見てもらうアニメーションをつくるんだ。」 ということを何回も語っています。
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