自分一人読んで終わるのはもったいない詩が、巻頭を飾っています。
【花信風】(早春から初夏にかけて、花の季節到来を告げるように吹くやさしい風)
「わたしがここにいたことは わたしに触れた風が 伝えてくれることでしょう」 花はつめたい空のひかりにも 松ぼっくりにも 語りかけています 「わたしを吹く風は しばらくわたしの香りを 袖にとどめていることでしょう」 風の振袖は みごとな落花模様です それきり花は口をつぐみました
全体、四季の風「春の風」「夏の風」「秋の風」「冬の風」、季知らずの風に分かれ、約300の風の名、その紹介に満ち溢れ、吹き荒れています。そして、全編爽やかです。
ことばでしか紹介でないレビュー…本当は「見えない風」のように、写真が使えないのは残念です。本書を開いて見るしかありません。
特に心惹かれた風のいくつかを列挙するしかできない、わが筆力のなさを嘆きながら…
涅槃西風(ねはんにし) 青東風(あおこち) 黒南風(くろはえ) 比叡颪(ひえおろし) 飛鳥風(あすかかぜ) 雪解風(ゆきげかぜ) 疾風(はやて) 青嵐(あおあらし) 朔風(さくふう) 荷風(かふう) 薫風(くんぷう) 秋声(しゅうせい)等々 300