最近はマンガを原作にしてアニメがつくられるが、当時は逆に子供向けのテレビ番組は必ずといっていいほど、放映と同時にコミカライズを雑誌に発表するのが一般的。『風のフジ丸』も講談社の月刊誌「ぼくら」で、マンガ版の連載が始まった。作家はアニメ版のキャラクター設定にも関わった若干21歳の久松文雄。物語はアニメ同様、それを手にした者が天下を制すという「竜煙の書」をめぐり、風魔一族に育てられたフジ丸をはじめ、諸大名の忍者集団が血で血を洗う争奪戦を繰り広げる。木の葉隠れから火炎返しの術、十方手裏剣の乱れ撃ちなど、今や絶滅寸前にある忍者マンガの面白さを再確認してほしい。
久松文雄(ひさまつ ふみお)
昭和18年、名古屋生まれ。15歳のときに書き下ろし単行本でデビュー。テレビアニメの草創期に彗星のごとく登場し、TBSの看板アニメ『風のフジ丸』『スーパージェッター』『冒険ガボテン島』のキャラクター設定や原画を担当。同時にマンガ家として、「ぼくら」や「週刊少年サンデー」誌上で上記作品のマンガ版をリアルタイムで連載する。他の代表作に、『史記』(原作:久保田千太郎/講談社)、『秦始皇帝』(原作:久保田千太郎/文芸春秋)、『諸葛孔明』(原作:竹川弘太郎/講談社)、『武と魂』(原作:李學仁/リイド社)、『項羽と劉邦』(原作:久保田千太郎/文芸春秋)、『春日局』(原作:堀和久/文芸春秋)、『三夢伝』(原作:李學仁/新潮社)など。
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