最近の倉本作品は、妙に説教臭く、古いモノはいいんだ文句あるか
と言っているようなところさえあった。
「北の国から」の最後のほうも、そうだった。
連ドラの頃や、純や蛍が子供の頃は、こちらも素直に感情移入できたのだが、
だんだんとできなくなった。
私が年齢を食ったせいか……いや、やはり倉本作品の中に
自らの生き方や考えを主張しすぎる、ある種の「押しつけがましさ」が生まれていたと思う。
けれどもこの「風のガーデン」には、それがない。
死を覚悟した麻酔科医・中井貴一のセリフもいいが、
何と言っても父親役の緒形拳だ。
セリフのひとつひとつが、何とも味わいがある。
設定は違うが、萩原健一が主演した「君は海を見たか」を思い出した。
死を前にして人は何を望み、どう行動するか……
そんな重いテーマが、どこか飄々と、しかししみじみと描かれる。
倉本自身は変わってないと言うかもしれないが、
たとえば「北の国から」〜遺言 などとは明らかに異なる世界観を感じた。
すばらしいシナリオである。