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13 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
話の風景のすきとおった色が、心にしんとしみてきます。復刊に感謝したい一冊,
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レビュー対象商品: 風と木の歌―童話集 (偕成社文庫) (単行本)
しんと胸にしみてくる、哀しいような、さびしいような、そんな美しい物語が八つ。1972年(昭和47年)、実業之日本社から刊行された初期短篇集を復刊した本。「きつねの窓」「さんしょっ子」「空色のゆりいす」「もぐらのほったふかい井戸」「鳥」「あまつぶさんとやさしい女の子」「夕日の国」「だれも知らない時間」が収められています。
最初の「きつねの窓」の話から、白や青をはじめとする物語の色の優しさ、美しさに魅了されましたねぇ。収録作品のなかで一番気に入った「空色のゆりいす」などは、目の見えない女の子の心に浮かぶ色彩が実に綺麗でした。海と空の青が、本当に素敵だったなあ。 「耳の中に大変なものが入ってしまった」と、耳のお医者さんのところに少女がやってくる。そこから話が滑り出してゆく「鳥」も、するするっと引き込まれてしまうファンタジックな面白さがバツグンでした。少女の耳の中に、青い夏の海が広がっている風景。イメージの不思議さ、幻想性に、物語の中に吸い込まれる心地になりましたよ。 巻末の解説文もいいですね。蜂飼 耳(はちかい みみ)の「体の底に残る響き」。《安房直子の童話は、作者がいなくなったいまも、ひっそり静かに輝きつづけています》とあるところ。全くそのとおりであるなあと、本書を読んで、身にしみてそう感じました。 安房直子の作品を初めて読む方に、まずおすすめしたい一冊。
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