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新垣の誠実な歌い方がもっともマッチしているのは、「あざみの歌」や「長崎の鐘」といった懐メロかもしれない。勢いで歌い飛ばすことがなく、かといってチマチマした抒情に逃げ込まない正攻法がすがすがしい印象を与える。逆に、ややリラックスした新垣を聴くことができるのは、サイモン&ガーファンクルの代表作「明日に架ける橋」だ。ここでの新垣は声のニュアンスも豊かで、いかにも気持ちよさげに歌っている。なお、ライナーノーツに「イムジン河」が韓国の歌だと書いてあるのは北朝鮮の間違い。日本と朝鮮半島の複雑な関係の中で数奇な運命をたどった名曲だ。(松本泰樹)
中でも知る人ぞ知る、純粋に平和への願いを込めた7曲目の「青い空は」は、平和賛歌というジャンルでは日本を代表する名曲だと思う。有名曲の中にさりげなくこういう曲を含める所に、彼のセンスの良さと人格を感じるが、それ以上にその歌唱の素晴らしさに耳を傾けると、いつの間にか自分の心も澄みきった青空になっていくようだ。全くこの「青い空は」が聴けるだけでも大満足のアルバムだ!
合唱を20年以上続けてきたこともあり、プロのテノール歌手をステージで多く聴いてきました。新垣勉の声の第1印象は、日本人離れしたのどの開いた深い声質のテノールだということです。ラテン系のお父さんの血はその風貌からも伺えますが、スケールの大きいラテン系の「声」の魅力にはまりました。明るい声ですね。気持ちの良い声です。
前半の6曲のイタリア古典歌曲は、彼の大らかな表現が曲と合わず、少し残念でした。彼の暖かさという持ち味が活かされていない選曲だと思います。
でも、真骨頂は「イムジン河」に込められた深い願いですね。歴史的にもこの曲は、複雑な運命を辿ってきました。引き裂かれた2つの国の悲しみをよく歌い上げています。とうとうと流れる「イムジン河」を彷彿とします。
「あざみの歌」「長崎の鐘」のように、50代の我々でも忘れていた懐かしい歌を現代に蘇らせてくれているのも聴きどころの一つです。その歌詞に込められた熱い気持ちをとても丁寧に伝えていました。これは是非お聞き下さい。良かったですよ。
「翼をください」「TSUNAMI」「明日に架ける橋」は、それぞれ有名なポップスですが、歌の奥深い所にある人類愛のようなテーマは共通しています。とても伸びやかに歌っており、このようなジャンルにも持ち味は活きますね。
「青い空は」は始めて聴きましたが、重いテーマを明るいメロディーに載せた佳曲ですね。21世紀にも歌い継いでいただきたい曲だと思いました。
楽譜の読譜に対してハンディを持っているわけですが、これからもどんどん新しいレパートリーを広げてほしい歌手です。
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