まず始めに述べておくと、看板に偽りなし。基礎の基礎から、実際の研究にすぐ利用できる応用面のプロトコールまで、まさにフルに顕微鏡を活用できる構成になっている。
特に注目すべきは、顕微鏡の開発会社の方々が筆者として数多く参加しているということである。研究者による執筆だと、どうしてもある程度顕微鏡の利用経験のある人が書かざるを得なくなるため、初めて顕微鏡を使ってみようという人にとって一番知りたいところが省略されてしまうことが多くなる。
その点、開発部の方の手が入るという本書のスタイルは、まさに「痒いところに手が届く」といった、至れり尽くせりの内容である。豊富な顕微鏡の図と実際に得られる写真(ネガティブデータもあわせて載せてあるところもポイント高し)、そして通常出くわすであろう、あらゆる顕微鏡の説明が取り上げられている点も見逃せない。実体顕微鏡の使い方までこれほど詳しく述べている書籍がこれまであっただろうか?
顕微鏡利用暦の長い人にとっては、やや煩雑に思える箇所もあるかもしれないが、新たに学べるものも多いはずである。お勧め。