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8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
完成度の高い作品群,
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レビュー対象商品: 顔 FACE (徳間文庫) (文庫)
似顔絵を描いて犯人逮捕に貢献する「似顔絵婦警」の平野巡査の活躍が、活き活きと描かれた作品である。厳然たる男社会の警察組織で、男尊女卑を公言する上司との間に軋轢を生じさせながらも、職務に忠実であろうとする凛々しい姿は、作中の言葉を借りるなら「若鮎のよう」で読者に好感を抱かせずにおかない。 収録された5篇のうち最終篇を除いて、平野巡査は花形の捜査官でなく、内勤者であるが、それぞれの篇の構成は良く練られていて、はっきりとした起承転結の下、しっかりと事件性も帯びている。 中でも、婦警が襲われ拳銃を強奪される事件を追う「心の銃口」の出来が抜きん出ている。 この作品は、同著者の「陰の季節」の一篇から派生し、独立された作品である。 その話の大筋は本書でも説明されているのだが、この作品の前段と言えるものだけに、できれば本書の前にそちらを読んでおきたい。
7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
主人公の魅力が際立つ好短編集,
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レビュー対象商品: 顔 FACE (徳間文庫) (文庫)
横山秀夫氏の警察小説のうちで、本書をナンバーワンに挙げる読者はおそらく少ないだろう。しかし、息詰まる男たちの心理劇を中心とした横山作品の中にあって、女性を主人公に据え、重苦しい部屋の窓を開けて風を通したときのようなさわやかさを感じさせる本書に、好感をもつ読者も多いのではないか。本書の主人公は平野瑞穂巡査。『陰の季節』の中の一篇、「黒い線」では事件を起こす側として登場する。「黒い線」ではひたすら痛ましさが際立ったが、本書では休職から復帰し、惑いながらも成長していく姿が連作短編の形で描かれる。 瑞穂はごくごく普通の、むしろ繊細な感性の持ち主だ。だから、ハードな環境の中で迷い、躓き、遠回りもするが、その分きっちり前に進む。天性とも言える真実を求める志向性、仕事への静かで確かな情熱が伝わり、その姿は実にすがすがしく、ずっと見守って応援していたくなる。本書はそんな瑞穂のキャラクターで読ませる一冊と言っていいと思う。だがもちろん横山作品、「事件」の方の書き込みも抜かりない。 ラストは、瑞穂の再出発とある刑事の退職という好対照なシーンでしめくくられる。退職する刑事から励ましの言葉を贈られる前に瑞穂が立ち去るあたり、べたついた感動とは無縁の横山作品らしい描き方とも言えるし、瑞穂の自らを奮い立たせるような決意が伺えるようでもあり、胸を打たれるラストになっている。 ひたむきさ、まわり道が格好の悪いことではないと教えてくれる小説でもあると思う。
5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
横山節がうなりをあげる,
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レビュー対象商品: 顔 FACE (単行本)
陰の季節『黒い線』の似顔絵婦警平野を主人公にした連作、彼女は似顔絵を描き直しそのショックから半年間休職し現在広報室に席を置く特ダネを連発するJ新聞に情報を流した者を探す『魔女狩り』、連続放火の続く中怯える女性から電話相談を受ける『決別の春』、口論の末相手の頸動脈を切り裂き逃走した犯人、その顔を目撃した主婦の証言から平野の後輩三浦の描いた似顔絵は、あまりにも犯人に似ていた『疑惑のデッサン』、実際の銀行を使った銀行強盗の訓練中別の銀行が襲われた『共犯者』、婦警を襲い拳銃を奪った犯人を追いかける『心の銃口』 人間味あふれる婦警が主人公という一見軟弱なストーリー展開になりがちな素材をぐいっと引き締める横山節、よくもこんなにどんでん返しのネタが続くものだと感心させられる一品でした
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