化粧、眉、お歯黒、装身具など、古代から現代に至るまでの変遷をつづった本書。個人的には近代・現代の化粧についてよりも古代から江戸時代くらいまでの歴史を知りたかったので、本の前半部分が興味深かった。
縄文時代から古墳時代までは装身具が使われていたが、その後、律令時代からは装身具が消失したという記述を読んで、「そういえばそうだ!!」とあらためて気づいた。平安時代は絵巻物でおなじみのように、眉を剃り落として額のかなり上の方に描いていた。また、時代劇では女性は現代風の化粧で描かれているが、江戸時代の女性は結婚すると歯はお歯黒にし、子供が出来ると眉もそり落としていた。現代の私たちが見ると「ぎょっ」とするような形相だったのだろうが、当時はそれが美意識だった。
現代に入っても、バブルの頃は太い眉が全盛だったが、その後細い眉が流行り、今はどちらかと言うと自然な眉に戻りつつある、というように、化粧の移り変わりは大変に早い。ごく自然に移り変わっていくのであまり気にしていなかった化粧の歴史だが、この本を読むことで時代時代の移り変わりに目が向けられるようになった気がする。