「投稿写真」や「週刊実話」なんかの下世話な雑誌が好きな人には、
新鮮味のない変態カップルのお話です。
それにテレビのコメンテーターを務めるような紋切り型の精神科医的考察を加えて、
さらに、ネット社会に対する新聞なんかで良く見る様な批判を混ぜ合わせたらできあがったというような作品です。
独自の視点が感じられないし、ストーリーにも意外性がなく、
ポルノとして読むには即物的過ぎる。
主人公の男が変態的にしか女性と関係をもてない事の理由が過去の学校でのトラウマに求められるのも、安易過ぎる。
現在の環境なども、もっと掘り下げて描くべきだった。
批判ばかり書いたが、あえて良い点をあげるとすれば、
この小説を2,30年後の人が読めば「昔の日本の性とメディアはこんな風だったのか」と一目で分かるということぐらいだろうか。
あえて現代に読むべき小説ではないし、
平野啓一郎氏のような作家が書く必要もなかった小説だと思う。