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顔にあざのある女性たち―「問題経験の語り」の社会学
 
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顔にあざのある女性たち―「問題経験の語り」の社会学 [単行本]

西倉 実季
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

顔にあざのある女性たちはどのような苦しみを抱え、どのようにその只中を生きているのか!?彼女たちによって語られたライフストーリー=「問題経験の語り」に目を向け、その存在や苦しみを可視化し、「問題経験」の軽減の方途も探ろうとする、精緻な研究の成果。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

西倉 実季
1976年山形県生まれ。お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士後期課程修了、博士(社会科学)。現在、東京大学大学院経済学研究科特任研究員。専門は、社会学、ライフストーリー研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 392ページ
  • 出版社: 生活書院 (2009/08)
  • ISBN-10: 4903690415
  • ISBN-13: 978-4903690414
  • 発売日: 2009/08
  • 商品の寸法: 19.2 x 13.6 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
 顔面に単純性血管腫(いわゆる赤あざ)のある女性3名に対するインタビュー調査をライフストーリー分析にまとめ、これまで不分明であった問題点を可視化しようとする学術書ですが、それ以前に面接調査の方法論についてけっこう紙面を割いています。ただ、この部分は専門の研究者でなければ読まなくていいかもしれません。

 三者三様の人生が語られ、あざに対する対処の仕方(隠すか隠さないか)、家族やクラスメートとの接し方などは実に様々です。そして年余にわたる調査の中での心境の移ろいも見逃せません。その中から共通点を見出していきます。
 インタビューの中で、セルフヘルプ・グループへの参加が、相当の苦悩を和らげてくれたという内容の述懐があり、自分自身あるグループの例会に参加することで相当「助けられた」経験を持つ私は、「なるほど」と思わず手を打ちました。
 私たちは、スティグマ者たちにいかに向き合うかをじっくり再考しなければなりません。「好意ある無関心」の実践をめざして。

 欲を言えば、視覚に訴える材料が少しでもあればと思いました。写真は、たとえ目線を付しても無理でしょうけど、どの範囲にあざがあるかの大まかなイラストでもあればと。
 そのあたりを補完するためには、事前に、著者が大いに影響を受けたという、石井政之さんの『顔面漂流記―アザをもつジャーナリスト』を読んだり、またセルフヘルプ・グループ「ユニーク・フェイス」の公式サイトを訪問したりするとよいでしょう。

 蛇足ですが、考えてみたら私はつい十数年前まではこういった顔や体にあざのある人たちを大勢見ていました。そして治療していました。そんなことも忘れてしまうほど違った人生を歩んでいることに、今さらながら気がつきました。
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By 梵太
形式:単行本
顔にあざがある女性へのインタビューを通して、彼女たちの問題経験を
明らかにしていく。第1章冒頭では、社会的にそうした問題を可視化して
いくと力強く述べられている。

当初の想定から女性に焦点をあてているが、読み進めていくとわかるよ
うに「あざ」は性別にかかわらず生活上の制約を余儀なくする。もちろん
あざがそうした制約を強いるわけではなく、あざがあることで社会の側が
当人を押しこめるという意味での制約である。
社会が彼女/彼らに与えるカテゴリーは「普通ではない容貌の持ち主」
である(筆者は「異形」と呼んでいる)。あけっぴろげな誹謗中傷を受けた
経験をはじめ、通常の相互行為儀礼(敬意を払うという意味での無関心)
が維持されず、視線やちょっとしたふるまいに込められた好奇や悪意が
暴力的に作用する。日常生活におけるこうした困難さに加え、就職や
恋愛・結婚においても不利を受けている。インタビューのなかでは、困難
や不利をどうにか和らげるために彼女たちが実践した対処や戦略が紹
介されている。
ただ、個人の実践も対処療法的にならざるをえず、生きづらさの解決は
難しいという。そもそも、社会の側がスティグマ(負の意味づけ)を与えて
いるという根本が変わるべきで、解決を当人に求めるのは不条理だろう。
ところが、現在の社会のまなざしは彼女/彼らを二重に疎外しており、
抱える問題を無視あるいは過少評価していると指摘する。一方で「普通
ではない容貌」ゆえに疎外し、他方で「五体満足なんだから、たかだか外
見のことで」と生きづらさや抱える困難を過少評価するのである。本書の
可視化の試みが社会の不可視化しようとする傾向を明らかにしている。

本書は著者の博士論文を加筆・修正する形でできあがったらしい。調査
や分析の過程が失敗談(先入観への固執とミスリーディング)を交えなが
ら詳しく述べられている。これは分析と結論に自信がないとできないこと
だろう。マイノリティ研究は調査が特に難しいと言われているので、調査
事例の蓄積としても貢献は大きいと思われる。
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