30代で資産ゼロから一棟マンションを融資を受けて購入し、大家となって会社を辞めた著者が語る不動産投資法。
不動産投資家として名高い「今田信宏」氏に師事し、それまでの「利回り重視主義」から
「キャッシュフロー重視主義」に転換したことが成功の秘訣だったと語る著者。
ちなみに頭金はゼロでの最初の1棟目購入であったかもしれませんが、別に諸費用で300万円は用意していますので、
やはりある程度の自己資金は必要です。全くの金なしで諸費用まで銀行に出してもらおう(オーバーローン)なんてことは甘い考えです。
読んでて気が付くと思うのですが、ページで「やたらと空白部分(何も文章が記載されていない部分)が目立つのです。
文章ごとにやたらと行を空けてスペースを取っている為、本の厚さの割にはページに詰め込まれている文章の量が少ないの。
もっと行を詰めて書けば「本の厚さが3分の2くらい」にはなりそうな印象を受けました。
「ページを水増し」して構成したかのような印象を受けます。
前半は著者が不動産投資で間違った未熟者である状態から「目覚めていくまでの過程」の話。
文章に非常に勢いがあり、行の空きの多さも相乗効果になるのか(笑)、スラスラと気持ちよく読めました。
これを読むと大抵の人はその気になることは確実でしょう。
そして中盤から実際に物件を取得して会社を退社するまでの遍歴が書かれ、
その際の失敗談・成功談から購入・物件選びの際の注意点が語られます。
最初にも記載していますが、この本の内容は「一棟RC造物件購入」を手法とした投資スタンスですので、
「格安中古アパート・戸建購入派」の方は読んでも参考になる部分は少ないかと思われます。
私も何冊も不動産投資に関する著書を読んできて気が付いたのですが、
基本的に「格安中古アパート・戸建派」は物件を「現金買い」をしており、
そのため最初から「融資に関しては考えていない方が多い」ということです。
だからそちらの手法の方の著書では融資に関する記述は非常に少ない。
逆にこの本に代表される「今田氏のチルドレン」(一棟RC造物件派)は、金融機関からの融資を引くことで
少ない自己資金でも「梃子の原理でレバレッジを利かせて」数億円単位の物件を購入しようということです。
「他人(銀行)のお金を借りてゲームで利益を上げて、その利益を享受しながら同時に借りたお金の返済もしていこう」
みたいな感じです。
つまり両者のやり方は基本的に「正反対である」ということ。
これはどちらがいいということではなく、それぞれに「一長一短」あるのだということを知って欲しいのです。
一棟RC派の方たちは下手な物件を購入して、次回以降の融資が引けなくなる「信用毀損(しんようきそん)」という状態を非常に恐れています。
ですが、格安アパート・戸建派の方の著書では「信用毀損」の文字は全く出てきませんでした。
最初から可能な限り自己資金の投入を勧めているのですから、それは比率が異なるのも当然です。
文章量が絶対的に少ないので、特筆点を挙げるのも難しいのですが、
1.自宅は持ち家でなく賃貸にしたほうが有利。
2.保証人の問題で独身者は既婚者より不利。
3.自宅を賃貸で貸している場合は確定申告をちゃんとしておく。但し、赤字申告ではなく「黒字で申告する」こと。
4.銀行に提出するプレゼン資料は簡単なものにすること。
5.金利の交渉は融資の内諾を得た後にする。
6.融資をしてくれる金融機関が好むような物件を持ち込むと「買いたい人」→「買える人」→「お金を貸したい人」と認識されて、
次回以降は優良物件の情報が回ってくる確率が上がる。
7.最重要点は「キャッシュフロー重視」と「信用毀損」の回避の2点。
これくらいですかね。
ホントなら重要点はもっと多くあるはずなんですが、やはり文章のスカスカ感故にポイントとなるべき点も少ない。
後、購入物件ごとに「具体的な物件所在地」を挙げていないので、関東の物件を買ったのか、九州の物件を買ったのか、
それとも関西の物件を買ったのかが全く読んでいる側には判りません。
だから「利回り13%」とか言われても、それがどこまで凄いのかが感覚として掴めないのです。
やはり「肝心な点は秘匿して話していない」という印象を受けてしまい、肩透かし感がすることでしょう。
「モチベーションを高めるだけ」ならかなり有効(笑)。