須賀田礒太郎は、横浜に生まれ、山田耕筰やプリングスハイムに師事した作曲家であり、昭和12年にヨーロッパ、フィンランドで行われた演奏会で、シベリウスが須賀田の曲を聴き絶賛したり、山本五十六連合艦隊司令長官の葬送行進曲を作ったりと活躍していました。しかし、戦争が始まり、さらに須賀田は結核にかかってしまい、疎開先の栃木県田沼町で晩年は過ごし、その作品は最近まで忘れられたままでした。
数年前、遺族の方が土蔵の中から須賀田の楽譜を発見し、神奈川フィルで三度にわたって演奏され、好評を博しました。幻の作曲家と言われていた須賀田礒太郎の作品が、実際に何十年ぶりかに音になった瞬間です。
このCDは、三度目の演奏会が行なわれた前後の録音が元になっています。シベリウスに絶賛された「双龍交友之舞い」、親しみやすく、覚えやすいメロディーの「東洋の舞姫」が特にお薦めです。60年以上前に作曲されたとは思えないほど現代的で、ポップな感覚もあり、それでいて雅楽や日本の伝統的な旋律にも精通している、希有な才能を持った作曲家だと思います。
ぜひ、聴いてみてください。