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項羽と劉邦〈中〉 (新潮文庫)
 
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項羽と劉邦〈中〉 (新潮文庫) [文庫]

司馬 遼太郎
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

叔父・項梁の戦死後、反乱軍の全権を握った項羽は、鉅鹿の戦いで章邯将軍の率いる秦の主力軍を破った。一方、別働隊の劉邦は、そのすきに先んじて関中に入り函谷関を閉ざしてしまう。これに激怒した項羽は、一気に関中になだれこみ、劉邦を鴻門に呼びつけて殺そうとするが…。勇猛無比で行く所敵なしの項羽。戦べただがその仁徳で将に恵まれた劉邦。いずれが天下を制するか。

登録情報

  • 文庫: 435ページ
  • 出版社: 新潮社; 改版 (1984/09)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4101152322
  • ISBN-13: 978-4101152325
  • 発売日: 1984/09
  • 商品の寸法: 15 x 11 x 1.5 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 5.0 負けの連続なのになぜ?, 2005/1/14
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レビュー対象商品: 項羽と劉邦〈中〉 (新潮文庫) (文庫)
 この『項羽と劉邦 中』からいよいよ項羽vs劉邦という図式がはっきりと浮き上がってきます。そして、ものの見事に劉邦が負けまくります。
 後の勝者がこれまで見事に負けまくるというのは稀有なのではないでしょうか。

 それでは、劉邦が負けまくっているにもかかわらず、なぜ配下の人間達は彼を見捨てることなく、彼を支え続け、最後には勝利へ導いたのでしょうか?

 それは偏に劉邦の人柄がそうさせたのでしょう。

 と、こういうのは簡単です。しかし、実際に劉邦がどのような人物で、どのようにして配下の人間を惹き付けたのかということを誰にでも分かるように説明するのは至難の業だと思います。筆舌に尽くし難い人間の魅力というものは実際に存在すると私は思うからです。

 この司馬遼太郎氏の『項羽と劉邦』では劉邦の人柄について誰でも理解できるようにかなり厚く綴られています。
 なぜ、劉邦は見捨てられなかったのかということが分かるばかりでなく、自分も劉邦のような人の下で働きたいなとさえ思いました。

 劉邦は戦国時代の本業である戦では項羽に勝てませんでしたが、本業のバックにある人生という人間としてもっとも大切な土俵では項羽に圧勝しました。
 現代において人生という土俵で勝つためにこの『項羽と劉邦』は少なからず参考になるかもしれません。

 ソレデハ…

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5つ星のうち 5.0 満を持して韓信登場, 2011/8/20
レビュー対象商品: 項羽と劉邦〈中〉 (新潮文庫) (文庫)
中巻は韓信のためにある。そう言っても過言ではないであろう。前漢を樹立するにあたって劉邦を支えた三傑(Triplets)、すなわち蕭何、張良、韓信。蕭何は兵站(ロジスティックス)と民生の達人、張良はフレキシブルな軍師、韓信は無敗の軍才を持つ。

韓信は後世に伝わるエピソードが多い。股くぐりを嘲笑されるかと思えば、国士無双。背水の陣、敵の半渡に乗ず、など。また、本書に登場するが、漢中から関中に攻め入るにあたっての入念な土木工事、人民にたいするオルグ、水攻め。電光石火の勢いで、関中を平定。

韓信が劉邦軍の大将軍になるにあたっての劉邦との対話。ハーバード流説得術である。劉邦は、ここで自己にめざめる。同席した蕭何らも耳をそばだたせる。韓信は、SWOT(Strength, Weakness, Opportunity, Threat) をロジカルに説いた。韓信の目が青く光ったというのは、著者の想像力である。

韓信には、無双の軍才と子供っぽさが同居していた。レキ食其は、あいかわらず古い長剣を手放さない韓信をからかい、そして愛する。

ころがりこんで来た成功を劉邦はあつかいかねる。気がおおきくなった劉邦は、項羽が斉を攻めていて留守にしていた彭城を大軍で占領するが、軍は統制がとれておらず、小軍をひきいて駈け戻った項羽に惨敗を喫する。楚漢戦史の実質的な幕開けである。

韓信は着実に領土を拡大するが、戦に弱い劉邦に兵力を補給し続けなければならない。焼け石に水。それでも、斉をめざす。

本書は、他にも豊富なエピソードが満載であるが、あえて韓信に絞ってご紹介した次第。
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5つ星のうち 5.0 項羽と劉邦の静かな逆転が、私たちに示唆するものは, 2010/2/21
レビュー対象商品: 項羽と劉邦〈中〉 (新潮文庫) (文庫)
中巻からいよいよ楚漢戦争が本格化し、タイトル通り、不倶戴天の2人にスポットライトが当てられる。
項羽ははたして人なのか。彭城(ほうじょう)において、劉邦率いる反楚勢力総勢56万を、たった3万の兵をもって潰走させる様は鬼神と見紛うばかり。劉邦はひたすらに敗れ、臆面もなく逃げ、情けなくも平伏し、性懲りもなく再起してはまた敗れる。が、敗れながらも、徐々に優れた人材が項羽から劉邦のもとへ流れ始め、パワーバランスが静かに変わっていくところに妙がある。
項羽には何が欠けていたのか。人望がない、徳がない。後世よく評されるところだが、司馬はあまりそう描かない。憎めば平気で人を穴埋めにする一面、気に入った相手は大いに愛し、咎も許す。かの有名な「鴻門の会」においては、劉邦の警護役、樊カイの勇敢な直言を「これこそ壮士だ」と受け入れ、劉邦を許す。そんな寛大さもある。感情の起伏に富み、大いに魅力ある人物ではないか。時に部下を軽く扱うこともあるが、それは劉邦も同じ。
だからこそ、項羽と劉邦の逆転は示唆に富む。項羽、というより楚に最も欠けていたのは人を引き寄せるメカニズムだろう。夏侯嬰や蕭何が韓信を見出したように、陳平が魏無知の伝手で新たに加わったように、劉邦単独の人望うんぬんではなく、漢には人が人を呼ぶ気風と仕組みがあった。この重要性は、私たちも本能的に知っている。社長や人事部がいかに笛吹けども、結局は組織全体に求心力がなければ、人は集まらないのだ。
軍師の知恵比べも、中巻の見所のひとつ。漢の張良・陳平と楚の范増が、丁々発止の知の戦いを繰り広げる。思い通りに事を運べない范増が、内心で項羽を「小僧」と罵る様が、可笑しい。良い軍師とは良い策を立案するだけでなく、それを実行に移してこそ。項羽を制御しきれない范増には、人の心のあやを汲み取る何かが欠けているのだろう。
二千年前の死闘は、現在を生きる私たちにも、無数のヒントを与えてくれる。
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