アイヌの踊りに寄せた三楽章形式の交響曲『シンフォニア・タプカーラ』(1954年作曲/1979年改訂)。作曲者の処女作『ピアノ組曲』(1933年)を、作曲以来58年経ってからオーケストラ作品にアレンジした『日本組曲』(1991年)。以上、日本を代表する作曲家・伊福部 昭(いふくべ あきら)の二つの管弦楽曲を収めた一枚。
懐かしさを感じるひなびた風情、土俗的・熱狂的なバーバリズム、うねり、盛り上がっていく管弦と打楽器の乱舞。どこか、黒澤 明監督の豪快、波乱万丈の活劇映画に通じる魅力を持った音楽に、わくわくしました。血が騒ぐというか、心が沸き立ちました。
この「伊福部 昭の芸術」シリーズでは、『日本狂詩曲』(1935年)をはじめとする初期の管弦楽曲を収めた【
譚 ― 伊福部昭の芸術1 初期管弦楽】のCDが、一番気に入っています。そのCDと同じコンビによる演奏、広上淳一指揮日本フィルハーモニー交響楽団の演奏は、本CDでも実にいい。それぞれの曲のテンポが的確で、リズム感や強弱の付け方も上手い。作曲家の意図をよく汲んだ、好感の持てる演奏でしたね。
1995年8月22〜24日、29〜31日、9月1日、東京のセシオン杉並ホールにて録音。