妖怪つながりということで巻頭に京極夏彦の寄稿があったりして、なかなか凝った造りの『仮面ライダー響鬼』評論集である。
特に天野行雄・加門七海・東雅夫の3者による鼎談には鋭い指摘が多く、必読!!
例えばこんな具合だ。
「天野 (中略)もともと仮面ライダーとは、子供のために命を張って戦ってくれて、失敗すれば自分も傷つくかも知れないライダーキックで渾身一撃、敵を倒すのが美学だったはずなのに、たまたまライダーベルトを身につけた者が強くなって、しかも無抵抗な怪人を一方的に蹴とばしている……。それが、いつのまにかヒーローと呼ばれていることが、ちょっと空恐ろしいというか不思議な感じがして。まあ、あれはあれで、普通に面白く観てはいたんですけど、でもこれ、ヒーロー番組かというと、なんか昔のヒーローは、そんな戦い方はしてなかったんじゃないかなと思って。」
どんな文脈で語られたものかは本書で確かめていただくとして、ここには近年の平成ライダーに対する違和感が端的に表明されている。税込2,940円という微妙な価格だし、文芸モノの出版社から出ているので、内容的にもちょっと固い文章が多いことから、気楽にサクッと読める代物ではないだろう。そういう意味でバンバン売れる本ではないと思うが、多くのライダーファンに手に取って欲しい良書だ。