アスペルガー症候群を描いた映画ということで興味を持ち、僕は普段映画はほとんど観ないのですが、観させていただきました。
映画に疎い人間なので、作品としての良し悪しの判断はできませんが、アスペルガー症候群の描き方という視点で観て、個人的には率直に言って、違和感の方が強かったです。
ASに限らず、「障害者」(という言葉も微妙ですが)を、「普通の人」の側から描くのは、根本的な難しさがあるのだろうなと感じました。
脚本も手がけた監督は、それなりにASへの理解や共感を示してくれているようなのですが、残念ながらそれは、どこまでいっても外部の視点から見た「共感」であり、一方的な視点に過ぎないと僕は思います。
自閉症を描いた「レインマン」、あるいは同じASを描いた「モーツァルトとクジラ」は、同じくエンターテインメントとしての作品ではありますが、少なくとも当事者が監修に関わっていて、演技の方も、身体的特徴まで含めてよく研究されているのが伝わってきます。
「奇怪な行動」のような現象面だけとらえるのでなく、当事者の側からの視点、内部の視点、完璧には無理でも少なくともそこに立とうとする、そこからの「共感」というものが「音符と〜」には欠けているのではないかと、個人的にはそう思ってしまいました。
こういう形でなぜアスペルガー症候群を題材にしたのか、その必然性がはたしてどれほどあったのか、疑問です。