この本はダメだ!!!
読んでいたらドップリ浸かってしまって、やられてしまう。音楽の魔力、いやつつましいがゆえに愛惜措く価わざる魅力、低温やけどのような被害を読者は蒙る。
評者は、基本的に中沢の本を認めない。小谷野敦が『バカのための読書術』で書いているように、彼の本はそのほとんどがオカルトだ。
でも、『はじまりのレーニン』と本書は何度も読み返してしまう。本書も最近わざわざ購入し直したのだった。
冒頭のコダーイ、次のショーソンを読んだだけでもうダメだ。好きとか嫌いとかではない。心がひとつの波紋によって、静かに震えてくる。彼らの「つつましい」音楽がどうしても聴きたくなってきて、日を経るに従ってそわそわしてくる。
ほかにやるべきことも沢山あるのに、またCDを買い直したくなってくる。
そんなことをしていられる身分でもないのに。
ひとつだけ付け加える。
山本容子のエッチングはほとんど音楽だ!!!