洋楽派で歌詞はどうでもいいと感じてきた著者が、心を揺さぶられる邦楽アーティストの歌詞に出会ったのをきっかけに書かれた本。
「この歌詞を書いた人はどういう回路を持ってるんだろう?」
ということを、直接アーティストに会って、インタビューをしながら解き明かしていきます。
歌詞をどう作っているかというよりは、音楽自体をどう作っているかを書いているので、内容は歌詞に限らず。インタビューの話し口調を会話のように記載しており、アーティストその人の素顔がひじょうによく見えます。
使うツール(頭、ノート、録音機器)やインスピレーションの題材(映画、旅、本など)だけでなく、日々の過ごし方や人生観にも及んでいる点で、視野が広い。
とにかく驚いたのは、各アーティスト達が「自分がどういう風に音楽を作っているか」「どういうスタンスで作っている」とか、「そういう感じは違うな、こういうこと」とか、そういう雲を掴むような話を巧みにポンポン言葉にして答えられるということ。模索し続けて、もう自分のやり方や表現者としての立ち居地、役割がはっきり自覚できているんだなと思いました。
テーマは本当にいろいろで、
自分自身のリアルを歌っている人
何かのトリップした世界やファンタジーを描きたい人
生活感を出したい人とそうでない人
曲や音重視の人、詞の世界やタイトル重視の人、
一人ひとりに届けたいという人と、
音楽というより態度や生き様を示して渦を作っていきたい人。
人の魅力を引き出す職業意識の人、自分主体で発信していく人。
みんなはっきり自分(達)の方向性が見えてます。自分の方向性を決めることは音楽に限らず、人生で自分の味を生かしていくためにも大事なことだと思うし、いろんな考え方に触れて、この感じは自分もわかるなとか、これはな〜んか違うな、自分にはできないな、とか考えさせられました。
良書だと思いますただ、読んで考えすぎると逆効果になりそうな気がする点で星4つ。著者も言うとおり、読んだらゼロからイチに向けて動き出すべき。この本読むと、創作モード頭にスイッチ入ります!