たまたまNewsweek(2011年 9/21号)で日本の韓流ブーム特集があったので、この本も読んでみた。K-POPをはじめとする韓流について解説した本。タイトルは派手だが、中身はそうでもない。光の部分だけでなく様々な問題点や、韓流文化の背景にある民族的な特徴との関係についても説明している。
時間をかけたプロの育成。ネットでの草の根の人気の広がり。マスコミは流行を先導しているというよりむしろ後追いだという。過酷な現場や契約についてのトラブル。エリート教育を徹底するスポーツ強化との類似性。国家の後押しの実態。「冬ソナ」ブームも結局儲けたのは一部だけ。ipodが韓国でシェアを取れない理由。国内では食えないから外をめざす。画一的になってしまいがちなのは徴兵制によって個性を消されるからという説もある。美容整形については、韓国では庶民でも整形は一般的で、芸能人で告白した人の好感度が上がる例もあるという説明でとどめている。いわゆる枕*業の噂についても、大金を投資して育てたのにそんなことをしたらすぐに噂になって商品価値が下がるとかわしている。
Newsweekの特集の方はページ数は少ないが、某テレビ局の韓流偏重路線への抗議としてお台場で行われた大規模デモも重視しているし、韓国ではタダのイベントでも日本では大金を取られる例、一定の支持層以外にはあまり広がっていないのではないかという見方、さらには韓流バブル崩壊の可能性も予言している。それに比べるとこの本は、そつなく広く網羅している点は良いものの、独自の鋭い分析は少ない。今後、この著者が韓流関係者に取材を拒否されるようなことは無いだろうと思われる程度に抑制の利いた、差しさわりのない内容である。