最近、韓国関係に関する著書は増えているが、真に学問的なアプローチを目指す本は少なかった。ややもすると、韓国を揶揄すること自体が目的化する状況の中で、この本は非常に研究や歴史自体に誠実な本であるといえよう。
まず、思想的に(右左両方とも)偏ることなく、ここ60年間の韓国の変遷を資料をもって明らかとしようとする。特定の思想に貫かれた伝え方ではなく、あくまで資料に誠実に韓国史の流れが記されている。しかし、ここ60年の韓国のダイナミズムが読むものを飽きさせない。
日本人にとって、「こわい」と形容されがちだった60年代や、現代急速に進んだ民主主義の道のりまで、平易なことばでわかりやすく伝えようとする著書の姿勢が見て取れる。
膨大な資料をここまでコンパクトにまとめているという点では、韓国研究を志す学部生から、韓国史そのものに興味を持つ社会人まで、幅広い層に受け入れられる良書であろう。