1.内容
日韓併合から現在まで、日本と朝鮮半島の関係を、「在日」、すなわち、在日韓国・朝鮮人(以下「在日」と表記)にスポットを当てつつ描写したもの。(1)併合時から連綿と続く日本(人)の差別意識や、日本の同化政策、(2)アメリカ、北朝鮮、韓国が、それぞれの思惑があり、「在日」の権利には無関心であり、時には反対したこと、(3)最近のトピック(拉致問題。それと関連して、いわゆる朝鮮総連の変貌)、などが書かれている。
2.評価
最近は韓流ブームであり、拉致問題の関心も高いように思われる(レビュアーの主観だが、大韓航空機爆破事件の犯人(拉致被害者にあったことがあるとか)が来日した時の報道から判断)が、本書のような、植民地支配があったときの「在日」史(関東大震災時の朝鮮人虐殺は知っていないとダメだが)や、いわゆる民団や朝鮮総連の成り立ち(朝鮮総連についていえば、たしかに左翼的なのだが、植民地支配の歴史を考慮すれば仕方ないと個人的には思う)、外国人登録と「在日」(狙い撃ち)との関係、日本だけでなく他国に翻弄された「在日」のことなど、読めば参考になる知識が多いと思った(単にレビュアーが日本と朝鮮半島の関係について不勉強だけなのかもしれないが)。著者のインタビュー経験(著者はノンフィクション作家)も滲み出ているし、記述も公平なように感じた(日本人=悪、在日=被害者といった決め付けはしていないと感じた)。日本と朝鮮半島の歴史を知るのに適当な本の1つだと思ったので、星5つ。