この本で使われている学習法は、その昔一世を風靡したAudiolingual Method である。Audiolingual Method とは、言葉は音・語・文型などの要素が規則に従い積み木のように重なり合って出来上がっているという「構造主義的言語理論」と、言葉はちょうど我々が自転車を乗れるようになったり跳び箱を跳べるようになるのと全く同じように繰り返し訓練・強化することによって身につくのだという「行動主義的学習理論」をその基礎に置き、パターン・プラクティス(組み合わせ、置き換え、変形などのドリル)を訓練法として用いる学習法である。その意味では、少々古い学習法である。ただ、この本がなかなかユニークなのは、abc順に並べた簡単な単語に日常頻繁に使われる文型を当てはめて覚えさせ、これを縦横無尽に組み合わせていくことで自由自在の英語運用力をつけさせようと目論んでいるところである。全体は4章から構成されているが、例えば第1章では album, baby, chair … という具合にアルファベット順に並んだ単語に夫々 I want you to show me the album. / I told you not to make the baby cry. / Do you mind if I borrow the chair? といった文型が当てられている。これが4章あるので、全部で26×4= 104 4 (3章と4章 だけはQとXで始まる語が無い)、都合100個の単語と100個の文型を組み合わせ、置き換え、変形することにより、かなりの英語発表能力がつくように工夫されている。所々に少々不自然な表現や日本語訳との齟齬が見られるが、初版ゆえの誤植であろうと思わせる程、面白い本である。