物語は韓信十三歳の少年時代に始まる。淮河の辺の小都市で育った彼は、「六韜六巻六十編」に「孫子」まで諳んじるほど兵技の才に長けた少年であった。やがて二十代も半ばの頃、始皇帝亡き後に、打倒秦に起った項軍に志願し入隊する。後に劉邦軍に移り、蕭何と運命の出会いを果たすのである。蕭何の進言によって、劉邦軍の上将軍に抜擢された韓信は、以後、漢楚の激闘において、北方攻略の別働隊を率い機略縦横、連戦連勝の活躍、斉を平定し、劉邦・項羽に並び立つほどの勢力にのし上がっていった。だが漢楚の戦いに決着がついたとき、彼には大きな落とし穴が待ち受けていたのである。
「国士無双」と称された名将の数奇な人生と、漢楚時代の本音で生きる人間模様を見事に描出する力作である。
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