ヒロインもののヤングアダルトものは毛嫌いしていたが、これは実にさわなかな読後感をもたらしてくれた。
何といってもキャラクターがいい。アルコール依存症の父親と別れた母と、誰もが振り返るぐらいな美人の妹との三人暮らしのジュナは身長179センチで16歳。彼女は生まれついての非凡なセールスパーソンで、ただいま靴店のアルバイトしている。
彼女の前向きな態度は深刻な問題にでもくじけやしない。酒から抜け出せない父親ともはっきりと一線を引き、アルツハイマー症のおばあさんにはあかるく接する。それに仕事(アルバイト)感覚がまっとうだ。好きなときに好きなだけ働きお金をかせぐ、といった浅はかな考えとは違い、仕事に意味を見出そうとしている。
といってけして優等生ではない。授業のレポートでは先生を困惑させるようなお茶目もある。
この作品が書かれた年代が十年前だからか、携帯電話もマリファナもでてこない。正直いって、今の若い人らにこの作品が読まれていることが不思議にさえおもえてくる。
ラストは、F・キャプラの映画を髣髴させる後味がよい締めくくりだ。父親との決別も現実的。
久しぶりに最後まで素直に読めれたYA物語でした。
原題の「RULES OF THE ROAD」とは交通規則だそうですが、わたしにはそのまま、「人生の道路標識」と解釈しました。