期待をこめて読んだものの、最初はインテリマッチョなゲバラ像を想像していたのでがっかりした。しかし時間がたつにつれ、自分の抱いていたゲバラ像は、ハリウッド映画の描く色々なヒーロー像に固定されていたことに気がついた。様々な戦いを経ていくうちに残念ながら、ヒーローは想像とはかけ離れるとも分かった。ゲバラは実に正直に描いていると思う。歴史に名を残す人の伝では、どうしても隠蔽や「いい人を装う」感覚が漂う。例えば、「彼は周りからは〜と思われていたが、自分は彼の考えを理解できた(してあげた)」という表現だ。「彼」の可笑しさを表すのに、他者のコメントを出しいることが、卑怯な点に気がつかず、私は時間が経っても、「彼」を理解したくなくなる。ところが、ゲバラ氏は本当にピュアだ。だからこそ、有りのままにゲバラ氏のことを捉えないと失礼だという気持ちになる。たまにカストロ像について等、ゲバラ氏は騙されていたのか?と思うところもある。しかし、ピュアな彼ゆえに思い込みや信念が彼なりにあっていいのではないか、と何故か好き嫌いを通り越して思わせてくれる、そんな内容だった。