著者は近代西欧史において出現した「革命」ついて以下のように述べている。革命とは自由の創設であり、自由が姿を現すことの出来る空間を保証する政治体の創設である。革命を理解する上で決定的なのは、自由の観念と新しい始りの経験とが同時的であるということである。「生命、自由、財産」そのものではなく、それらが人間の奪うべからざる権利であるあることを認めたのが革命の成果であった。自由の内容は公的関係への参加であり、貧困などの束縛からの解放ではない。革命の目的が社会問題の解決となるとそれがテロルを導き、そのテロルこそ革命を破滅に追いやる。革命は、革命が創設を目的とするなら、創設をもたらした革命の精神こそ革命自体の脅威なるという難問を内包する。等々。
以上の考察は、省略して言えば、ルソーの思想に影響されたフランス革命は悲劇として失敗したがその革命の精神は受け継がれ、モンテスキューの思想の影響が大きかったアメリカ革命は革命の成果をもたらしたがその精神は忘却されて継承されず、マルクスの思想に導かれたロシア革命は革命自体が悲劇の失敗に終わった、という著者の歴史解釈と対応している。
この本が著された時代においては、どちらを向いても受け入れられそうもない考えに見えるが、人間の社会における創設の一つである「革命」の意味を深く考えさせてくれる本なので是非若い方に読んでもらいたいと思います。