世界に冠たる教育水準にある日本人であるが、こと「軍事」に関する基礎知識となると、相当にあやしい。(政府の高官であってもそういう人がしばしばいるのは非常に困ったことである。)国際情勢は、軍事的理由で左右されることが多々あり、軍事への理解がないと国際情勢の理解が困難となる。特に、日本の新聞の国際面は軍事的視点が欠落しているので、理解不能になりやすい。
この本は、そういう平均的日本人にとって格好の入門書である。
特に、主要国の軍事・兵器事情は「お国ぶり」が表れていて楽しい。例えばドイツが兵器の輸出国であり、レオパルド戦車という「ベストセラー兵器」を生産しているという「事実」は筆者には興味深かった(軍事の専門家であれば常識の事柄かもしれないが)。また、中国の兵器について「コピー商品が多い」というのには笑ってしまった。実際はまったく笑い事ではないのだが、あの国における「海賊商品」の横行とオーバーラップしてしまった。