イスラームの諸相を初心者にも理解しやすいように分かりやすく書いたもので、確かに分かりやすく、良書の類に列せられるものかと思います。
序章で「現代イスラーム世界が分かるキーワード」について述べた後、順次「イスラームとは何か」「ムハンマドの生涯」「クルアーンとハディース」「イスラーム教義」「イスラーム各派」「儀礼と日常生活」「ムハンマド以降のイスラーム史」「パレスティナ問題」「現代イスラーム事情」についてそれぞれ解説をしています。図版・写真が多用されていることも、理解に資します。
上で挙げたように、内容はたいへん盛りだくさんで、これ一冊でイスラームに関する基礎知識を涵養せしめようという意図がはっきりと分かるのですが、少し欲張り過ぎというか個々の内容にバラつきがあるようにも感じます。特にクルアーンとハディースについての章は、もう少し詳しくてもいいのではないかという気がします。とはいえ、最初の一冊としては十分な内容ですし、各項目に関する参考文献案内も比較的充実しているので、手に取って失望するということは(余程の欲張りでない限り)なかろうかと思います。