この問題に対し特に興味を持って経緯を観察していなかったので、情報収集のため購入。
全般に、この条例改正案に反対の意見を持つ出版関係者や
漫画・小説・脚本等々様々な作品の作家、弁護士人等々の意見を収集したもの。
特に作家陣の面子は幅広く、そういう意味では結構豪華。
尚、条例改正を提議している個人・団体の意見は収録されていないので、
双方の意見を均等に聞いてみたい、という方は別途にネット等で調べておいた方が良いかも。
インタビューなどで、この問題における要点を判りやすく整理しているので
事前の知識があまり無くとも一連の流れが理解できると思う。
尚、表現の自由を脅かすとして感情的に反対している意見はあまり見当たらない。
むしろ多くの人物が理性的に、理論的に反論している。
条例改正案を担ぎ出した勢力(人物?団体?)が特に具体的な理論なり調査結果なり
データなりに基かず、感情論で改正を求めていることも客観的に判る。
個人的には、こういった問題において、漠然とした社会正義を持ち出して
極端な理屈で声高に規制や制約を求める人物や団体は、そもそも実証的データや理論を持たずに
発言しているので、その主張を理性的に理論的に論破しても意味が無い場合が多いように思う。
要するに、どうせ聞く耳を持ってもらえないので話はかみ合わず徒労に終わる場合が多い、と思うのだ。
だから、この書のように多くの意見を持ってしても、彼らの理解を得たり考え方を変えてもらう
ということは難しいように思う。
そのあたりのことは編集側もインタビューやアンケートを受けた方々も分かっているようで、
反対意見を多数集めてそれによって規制推進派を打ち負かそうという趣旨で出版したものではないようだ。
条例改正案を退けることを強く訴えるような紙面にはなっていなかった。
よく判っていない層に、現状をよりよく判ってもらおう、というような立場のものだと解釈した。
ただ淡々とこれらの反対意見を読んでいくと、どう考えても非実在青少年という概念を
持ち出すことが馬鹿馬鹿しく思えるし、現実的にはゾーニング・フィルタリングで事足りるものであろうことは
十分に理解できた。
私は、「非実在青少年」という概念をよく判らんけど何となく違和感あるなあと感じていたが、
この一冊でほぼ全ての疑問や違和感を解消できた。
この非実在青少年に関する表現問題と児童ポルノ問題が根本的に別物であることもよく判った。
私個人の意見としては、この一冊を隅々まで読んで、それでも非実在青少年という概念を
用いた規制を支持するという人物には、ナニ言ったって時間の無駄だと思う。
その手の人には、詳しく説明しても山ほどの署名見せても色んな人の意見聞かせても無駄。