「地方分権などにより、地方自治体の構造改革が進んでいます」と、言ったら本当に喜ばしい限りでありますが、実際にはマネジメントのない戦術先行の場当たり的、部分最適化の改革しか見えてきません。こうしたことは限られた地域だけではなさそうです。何故なら、本当の改革は、地方自治体の目的(ミッション)に照らし戦略、戦術を構築し、PLAN→DO→SEEサイクルの評価手法の導入など、全体最適化を目指したマネジメントが必要があり、根拠なき「サービス切捨て」や「人財のリストラ」などで部分最適化を図っても、ミッションに照らした成果は生まれてきそうもありません。これでは明日の地域経営は遠くに霞んでいくだけでしょう。
「マネジメント」という言葉が財務的なものであり、企業のアイテムとしか認識されていない間に非営利組織の経営は、いつしか赤字団体に転落してもおかしくないところまで来てしまっています。また、その改善策も容易に見つからないのが現状であり、このような時代に求められるものは、本当の改革であり、組織のミッションに照らしたマネジメントが求められる時代となっていると考えます。
本書はこうした意味において、特に、地域経営を行う理事者や職員、住民代表である議会や市民そのものにも役立つものと思います。資金のない時代の行政経営を効果的進めるためには、地域のNPOなどとの協働は必須であり、こうした戦略を練るためにも是非一読を進めたい。いや、常にそばに置きたい本であります。P・F・ドラッカーの著作を直接読むことも必要ですが、この本は少々難解なドラッカーの思想をその背景から理解し、実際にマネジメントする際には丁寧にその手法も解説されていますので、至れり尽くせりの感がします。
こうした良書を世に出していく著者や出版社に “合掌”