この本はまず、中を読めば共著なのに表紙には三浦展の名前ひとつしか載っていない。これは率直に言っておかしいだろう。もっとも、「共著者」の佐藤留美の論考も、前著(
結婚難民 (小学館101新書 3))と大して変わっていない。
――モテも「格差」なのである。
大胆な仮説とともに出発する本書。男性も自分の見た目とモテにセンシティブにならざるを得ない時代、モテるかどうかが男と女の生き方にいかに影響するかを考察していく。
この本における分析の根幹をなすのは、「ジェネレーションZ調査2008」によって導き出された「モテ格差」である。モテ格差といろいろなデータの相関を見ていく。
しかし、どうも解せないのである。はたして、自分のモテ度を客観視できるのだろうか。もっと言おう。このアンケートに自分で「モテる」「容姿に自信がある」と回答する人が、本当にモテるのだろうか、美形なのだろうか。ちょっとイタすぎやしないだろうか。これは就活の適性検査とかで「自分は面白いとよく言われる」という問いに、平気で「よくある」と回答する人のようなもんだ。そんなやつ、本当に面白いのかという疑問が残る。特にモテているかどうかや美醜については、主観的なバイアスがかかりそうである。その人がモテるかどうかについては、周りの人に聞くのが手っ取り早いだろう。そんな手間なことはできないだろうが。
別にモテると回答した人全てが実際はモテないだろう、と言いたいわけではない。そうではなくて、突き詰めて考えていくと、モテると回答する人とモテないと回答する人で違うのは、容姿の違いというよりも、要は「自分に自信があるかどうか」だと思うのである。
ジェネレーションZでは「容姿に自信がない男性は8割がモテない」という結果が出ているが、ここの「容姿に」の部分はいらないだろう。単に自信がないだけなのである。自信がない人間でモテると感じれる人のほうがおかしいだろう。
その他、「正社員力」とか、頭の悪い新書によくあるなんでもかんでも「力」をつけてみたり、中盤は辟易することもあるが、そんな中たどりついた第7章「男性保護法」のすすめ。
どこまで真に受けるべきかはわからないが三浦さん、実はこれが書きたかったんですね。